「逝きし世界の面影」    渡辺京二著    平凡社


 幕末から明治にかけての外国人から見た日本の姿から、良き社会の面影を言説している書。


 女性や子供たち、風景や習慣、日本人の美意識など多岐にわたり、古き良き時代の日本について書かれている。


 その中でも目を見張るところは、「日本人は幸福で、陽気で気さく、不満のない国民」と多くの外国人が観察している点だろう。

 それに対して現代を生きる日本人は、何と多くの欲求不満におかされており、何と不機嫌で不幸そうなのだろうか。

 これは豊か、貧しいとかいった問題ではない。この100年あまりにの時間で、本当に大切な部分を日本人は劣化させてしまったのかもしれない。


 だから、私たちは明日から上機嫌でいきたい。