昨日の深夜、アメリカの雇用統計の数字が発表された。予想されたよりも力強さがなく、このことが今後の金融政策に影響を与えるのではと言われている。

 つまり金融緩和政策を縮小していくペースを緩めるのではないかということだ。今年の夏秋に向けて、少しずつ債権買い入れのペースをダウンさせていく予定が延長されるのではとの思惑である。

 欧州に比較して、日米はこのところ市場にどんどん資金を供給し続けているが、異次元の量的緩和を標榜する日本に対して、お隣のアメリカは少しだけ慎重になりつつあるということだ。

 特に今年のアメリカは中間選挙を控えている。(かつて中間選挙で財政削減をテーマにした「茶会」勢力が話題になったこともある)

 しかし昨晩の数字は、まだまだと政策に訴えかけている。


 結局は当面、ズルズルとお金はばら撒かれていくのだろう。


 日本は?

 異次元の緩和策(この表現も極端で不思議だが)に当面は変更はないだろうし、アメリカだけが慎重になれば、その分だけ為替は円安方向へと進んでいくのだから、どっちに転んでもマイナスはないはずだ。


 それにしても株価は上昇した。なんせ8000円そこそこが倍の16000円にまで短期間に上昇したのだから、これは最近はお目にかかれない上げだ。

 でもなぜだか巷の投資ムードはさほどは浮かれていない。それだけ数年前まで低迷が長く、誰もがメタメタにやられていたのであろう。


 株式投資に熱心な同僚議員に「最近は株価上昇で儲かって良いですね」と話しかけると、こんな風にぼやいていた。「儲かっているというか、ここ数年来の大損が少しづつリカバリーしているだけだから、そんなに嬉しくない、まったくヤレヤレという気分です」