先日、日本の株式はまだバブルの三合目あたりで、これから上昇を続けるとか何とか書いていたが、今日の大発会は一時400円くらいの下落に見舞われている。


 ここで相場は大崩れするのであろうか。いや、このような下落は健全な証拠として望ましいものだ。何も負け惜しみを言っているわけではない。


 それはすべての日足による上げ下げをきちんととらえて、ポジション調整をしながら利益の最大化を図るのがベストであるが、そんなことは神様でもないと無理な相談だ。

 要は大局的な相場観が間違っていなければ、よしとすることが健全なトレードのあり方だと思う。


決定的な要因が存在しないのにも関わらず、いきなり相場が下落するということは、市場参加者の多くがおそるおそるトレードをしていることを表わしている。

 つまりは大多数の人々が、現在の価格水準は高く、いつか大きく下落することを心配しているわけだ。そのうち下がるだろう、だから今のうちに利食いしておけ、という感じだろう。


 これはとりもなおさず、高値で新規にポジションを組む人よりも、過去の高値のポジションをやれやれと手放す人が多いことによる、価格の下落とも言える。


 このように市場参加者の大多数がイケイケの超強気の状態ではない時は、まだ相場の天井を迎えているわけではない。

 何事も一直線に上昇することはなく、上下を繰り返しながら上がっていくものと考えれば、現在の下落は上昇過程における一時的な下げの範疇であろう。

 だが、ボラタリティが高くなっている現在、一時的な押しでも意外と深くなることもある。そのへんの見極めが難しく、下がったからといって喜んで追撃買いをすると思わぬ損失をくらうことにもなりかねない。


 トレードはとても難しいものだ。