ご存じの方々も多いと思うが、ストーンズが来日公演する。今までならば、すぐにチケットを入手して、コンサートを心待ちするのであるが、今回はなぜかそのような気分になれない。

 駅などに貼り出された広告ポスターに写る彼らの姿が、ほとんど老人を思わせるからだろうか。たとえ年をとっていても、そのサウンドには変わらないものがあるのだろうが、なぜだか気分が乗らない。


 ストーンズの曲を思い起こしてみた。よくよく考えてみると、ストーンズの音楽といっても1970年代後半くらいまでもものしか聞いていない。それ以降は、どうもぼやけてしまうのだ。

 ということはストーンズが活動してから15年そこそこのサウンドしかフィットしないのだ。彼らはその後も30年以上活動しているわけだから、私はストーンズの三分の一の部分しか自分の中に吸収していないことになる。

 そう考えると、わたしにとってのストーンズとは、短い期間のストーンズなのだ。まぁ、ビートルズにいたっては、10年足らずの期間だ。


 ミュージシャンに限らず、短い期間に多くの仕事が凝縮されることは多い。当然、政治についても同じだ。長い停滞の期間があり、短い変革の期間がある。

 これは全体的な政治状況についても、個人の政治生活においても同じような気がする。