今日は高校時代の友人の歯医者さんにいった。金の詰め物が取れたのだ。虫歯ということで治療をしてもらい、新しい詰め物を来週に埋め込む。

 古い金の詰め物は不必要になったのだが、友人は「この金はいくらかのお金でリサイクルで売れるので持っていけば」と言っていた。

 金歯のかけらですらいくらかのお金になるほどに、最近の金の値段は高いのだろう。まことに頼もしいかぎりだ。そういえば近頃は駅前ですら「金、プラチナ買います」の店舗が増えたような気がする。


 活動を終えて夜遅く、自宅に帰った。体調があまりすぐれないので、自宅で昆布茶をすすりながら、何気なくテレビを見ていた。

 すると東大せいとか京大生とかが出てきて、頭脳を競い合うようなバラエティー番組をやっていた。いろいろなクイズ形式の番組だ。

 ボーっと見ていた。その中でのクイズの問題にこんなものがあった。


 「富士山と同じだけの体積の金があったらどれくらいの値段ですか?」

 回答者はしきりに体積を計算して、金の値段と掛け合わせて金額を割り出した。

 はたして、二人とも正解。とてつもない額の値段だった。日本の予算の何億年分とかいっていた。

 この解答ははたして正解なのだろうか。


 私の正解は異なる。

 正解は「富士山ほどの金はほとんど無価値」。銅や鉄の値段はおろか、砂の値段程度のものだろう。

 有史以来、発見され採掘された金の容積は、代々木のオリンピックプールの容積にも満たない。それだけ希少な物体が金だ。だからこそ相対的に高価なものとなる。

 たくさんあったならば、その価値などほとんどなくなってしまうだろう。

 ましてや富士山くらいの金ならば、ほとんど無価値となることは明白である。


 経済でいうところの、需要と供給の関係だ。

 なんでこんな単純な話に、日本の若い頭脳は気が付かないのだろうか。

 それだけ、世の中はバカになっているということだ。


 賢いとは知識の集積ではない。あくまでも本質を見極める能力だと思う。