「ネアンデルタール」  ジョン・ダーントン著  嶋田洋一訳  ソニー・マガジンズ文庫


 だいぶ以前に全世界的にベストセラーになった作品であるが、たまたま興味を持って読んでみた。もちろんエンターテイメントとしては面白い作品だが、その点以外でもいろいろと考えることができるものだ。


 人類よりも大きな脳容積を持ちながら、3万年前に地球上から忽然と姿を消した謎の原始人「ネアンデルタール」にからめて、人類の起源や進化の妙味について触れている。

 なぜ、彼らの種は進化の過程で消滅してしまったのか?


 特に面白いのは、人間をめぐる言語とコミュニケーションの特質についての想像である。

 言語というコミュニケーション手段は、はたして優れているものなのか。

 そもそもコミュニケーションの目的とその本質とは、どのようなものなのか。


 まぁ、面白い作品である。