このところ東証の株価の下落が著しいとの報道が目立つようになった。
16000円だった日経平均が13000円まで下落。短期間のうちに3000円も暴落したと騒ぎ立てられているが、はたしでどうか。
3000円という値幅は日々トレードをしている市場参加者にとっては大きなものだが、よくよく思い返してほしい。昨年の暮れ、安倍政権が誕生する前は8000円程度だったのだ。それが倍近くに上昇して、その上昇分の半分ほどの値段に押したという程度のことなのだ。
株価の下落と同時進行で起こっているのが、円高への揺れ戻し。こちらも円安になった値幅の半分にも戻していない。
そしてよくよく考えてみよう。私たち円で生活する日本人にとっては、株価の下落は直接的なマイナスだが、円を基準としない世界の人々にとってはどうか。
株価が10%下落しても、その分為替が10%円高になれば、実は同じことなのだ。損も得もないということだ。
洗練されたトレードのためには、近視眼的な思考はやめた方が良い。