いささか抽象的な話だが、この世の中には、それぞれの立ち位置や視野によって、または感情的な妨げによって、人それぞれに「見えるもの、見えないもの」がある。
ここでタイトルの「見えないもの、見えるもの」を逆にして「見えるもの、見えないもの」と表記したのは、多くのものは「見えない」が、実は「見える」ものであるという意味のことを強調したかったからだ。
これは音でも同じ。「聞こえるもの、聞こえないもの」とも言うべきか。物理的な領域にあっても、この事実は存在する。
たとえば犬やネコなどの動物は、聴覚に対応する周波数が人間とは異なる。つまりは人間が聞こえない音を、実際のところ普段から聞いているのだ。
つまりは主体のあるようによって、認知はすべて異なってくるのだ。
「何をあたりまえのことを!」と思われるかもしれないが、なかなかどうして、私たちはこの事実をついつい忘れがちだ。
ここに感情的なこと、気持ちの上での歪みが入ると、認知のズレは拡大する。
きわめて比喩的な話をあげよう。
大空にはいつだって無数の星が輝いている。
たとえ雨空や曇り空だって、暗いベールの先には無数の星が輝いている。
夜だけでない、昼間だって、太陽の光が強いからわからないだけで、
実は私たちの頭上の空には、いつだって無数の星が輝いている。
そんな無数の星たちの存在に気がつくかつかないかは、「あなた」しだい。