ピグのスタッフが運営するブログがあり、そこでの内容はたいがいがお知らせの類なのだが、そこに寄せられたゲーム参加者のコメントが面白い。

 イベントのクエストに対する感想なり意見なりが主なものだが、その大半はピグ運営側に対する文句で占められている。

 たとえば、「レアの素材が出る確率が低すぎる」とか「無理やり課金させようと誘導している」とか「一日無駄にしてもクエストをクリアーできない」とか、そんな類のものだ。


 ここで改めて、厳然たる事実を確認したい。そもそもピグというバーチャルな世界を創造しているのは運営する会社側なのだ。つまり実世界における「神様」のような存在のもとで、私たちゲーム参加者は暮らしているのだ。

まさかゲーム参加者一人一人のすべての履歴を運営側が管理しているわけはないだろうが、原理原則でいえば、そのようなことですら可能なわけだ。つまりは、「こいつにはレアを出現する確率を高くして、あいつにはレアの出現する確率を低くする」というような調整だって可能なわけだ。

 もちろんレアの出現などはランダムにしていかないと、まさにインチキなゲームということで、誰も参加する者はいなくなるが、ある程度の傾向による調整を運営側がしないわけはない。

 ある程度の調整とは、たとえば「イベント終了間際には確率を厳しく設定する」とか「時間帯によって確率を変える」とか「初心者とマニアには別の確率を設定する」とか「課金者と無課金者には別の確率を設定する」とか、いくらでも考えられる。


 そして運営側としては、少しでも課金者を増やして企業収益を伸ばしたいのであるから、細かい点での工夫は当然のことながら存在するであろう。


 ここで、運営側の望む方向性を検討してみよう。

 1)課金者を増やして、より多く課金させたい(収益の増大)

 2)ゲーム参加者を増やしたい(広告収入の確保)

 の2点であろう。つまりは課金者を増やしていきたいが、それによって参加者が減少していくのは避けたい、この2点の均衡点を模索していきたいということであろう。


 これによって見えてくることは、「なるべく課金の方向に誘導したいが、課金しなければ成立しないようなゲームにしてしまい、結果的に参加者が激減することは回避したい」ということだ。

 そしてそのために導き出される戦略は、「何が何でもイベントをクリアーさせることに必死な参加者へ重点的にヘビーに課金させるように誘導する」というものであろう。


 つまりは、「一度でも課金した参加者」を「よりヘビーな課金者」へと巧みに誘導することに他ならない。ここまでの推論はあくまでも私個人の憶測の域を出ないが、私が運営側であるならば以上のような戦略を当然に採用するであろう。

 

 だからここでも不可解な現象が出現するのだ。なんせピグの世界は、すべてを決定できる神様によって運営されるバーチャルな世界であるのだから。これについて詳しくは次回に。