今回は「ピグ」について。アメーバの付属機能でピグという育成タイプのオンラインゲームがあり、ピグライフとかピグアイランド、そしてピグカフェなどのバリエーションが存在する。これらについて知らない人は、以下の文章はチンプンカンプンだろうから、読み飛ばしてもかまわない。


 ひと月ほど前から、このゲームがどんなものかチャレンジしてみた。そこでの体験をもとにして、私が感じたり考えたりしたことを書いていきたい。


このゲームでは、様々なクエストが提示され、それらを一定の時間内にクリアすれば、バーチャル世界でのアイテムがプレゼントされる。アイテムは洋服だったり、家具だったり、ちょっとした小物だったりする。ゲームの参加者は、そんなアイテムを欲しさにせっせとクエストをクリアしようと頑張るのである。

 このクエストのクリアには、そこそこの面白さや達成感もあり、ゲームとして一生懸命に取り組む心理は理解できる。だが、このクエストはなかなか一筋縄ではいかない難解なものもある。クリアするためには確率の低いレアな素材(切手だったり、特別な花火だったりとその時々で異なる素材)を集めなければならない。これが難しい。

 しかも時間的な制約も存在する。もはや廃人となって一日24時間ゲームの画面に向き合わないと、とてもクリアできないような難しいものもある。

 そこで登場するのが、「アメゴールド」という仮想世界での通貨だ。これは実際の通貨(円)をもって、交換できる仮想通貨だ。交換というよりも実際の金を出して、仮想世界における通貨を買うのだ。このアメゴールドがあれば、前述のクエストをクリアするのが楽になる。つまりアメゴールドという仮想世界の通貨でレアな素材が楽に手に入るのだ。

 そのためゲーム参加者は、クエストをクリアーして仮想世界で使用できる様々なアイテムを獲得するために、課金(お金を支払って)してゲームを続ける。


 ざっと、こんな感じであるが、まぁ、奇妙なものだ。私はこんな仮想世界でのゲームにお金を支払うなんてまっぴらゴメンなんで、マイペースでゲームに参加しているが、どうして多くの人々はこのようなバーチャルな世界に夢中になってしまうのだろうか。

 バーチャルな世界は、それ自体が特別な価値を共有できる場なのだろう。それにしてもお金を払ってまでとは、いささか恐れ入ってしまう。しょせんは遊びの世界、ゲームの世界であるというのに。


 しかし逆に考えてみれば、遊びの世界、趣味の世界だから、そうなるのかもしれない。人はそれぞれの趣味にお金を使って遊ぶ。車が好きな人は車にお金を使うだろうし、ファッションが好きな人はそれにお金を使うだろう。これと同じでことで、自分が好きで遊んでいる対象にお金を使っていると考えれば、何も不思議なことではないのだろう。