この試験問題の解答は様々なものがあったが、どれが正解というわけではないが、あえて正解とするべき答えは、「人と知り合うことが不自然でない仕事やイベントを行う」というものだ。


 たとえば何がしかの教室(フラワーアレンジメントでもいいし、ヨガ教室でもいい)を開くとか、駅前にお店を開店させるとか、演劇やライブを企画するとか、そんなものである。

 一番良いのは、選挙に立候補するというものだ。選挙の候補者ならば、こちらから強引に人と知り合うという行為に出ても何ら不自然なことはない。だいたい自分の写真をポスターにして街中に貼り出すくらいなのだから。そういう私も現在、いろいろな場所に「のづ」のポスターを恥もなく貼り出しているし、駅前での街頭活動ではどんな人にも握手をする。

 そしてこのような行為はその枠の中で考えるならば、何ら不自然なことではない。至極当然の行為であるのだ。だが何の理由もなく街中で「あなた方と友人になりたいです」などと他人に声を掛けようものなら、大方の人々は単なる怪しい人間と思うだろう。

 すべてのコミュニケーションは、その行われる状況の枠を越えることはできない。だからこちらの方であらかじめ想定される枠を構築していかなければならないのだ。


 この問題の最高の解答にこんなものがあった。

 「創価学会に入って選挙の手伝いをしながら、公明党の候補者と一緒に知り合いを増やしていく」というものだ。私はこの解答に大爆笑しながらも、もちろん100点満点を与えたのは言うまでもない。