昔にもコミュニケーション・シリーズは何回か書いたが、今回はやや内容を充実させて展開していきたいと思う。

 世間一般、特に教育の分野では、「コミュニケーション・スキルを向上させる」だとか「コミュニケーション力は大切だ」とか、コミュニケーションという言葉が盛んにもてはやされている。

 これは日本の国における産業構造が、生産業からサービス業へと著しく転換する過程で、求められる人材の質的な変化が進行していることに合わせているとも言える。


 さて、ここで独断的なコミュニケーション講座を開設してみたい。私は政治関係の道に進む前、今から20年ほど前の話だが、大学院を修了して間もなくの20代後半の数年間、とある専門学校で講座を持っていた。講座のタイトルが「コミュニケーション特論」だったような気がする。

 その講座の中で、毎回毎回一つの問題を提出して、生徒のみなさんと答えについて考えるという形式のものを行っていた。

 今回から何回かにわけて、その時のテーマについて取り上げていきたい。


 まず最初の問題。

 「あなたは若い女性です。帰りの電車の中で年配のヨッツパライのオジサンにからまれました。とてもしつこくて困っています。車内には若い学生のカップルやらサラリーマンやらが幾人かいます。回りに助けを求めても、誰も見て見ぬふりをしています。さて、どうしましょうか?」

 これが問題です。この場合の最適なコミュニケーションのあり方を考えてみてください。(コメントをくださってもかまいません)この答えは次回に。