おかしな店舗ということで、前回は「メニューを置かないマクドナルド」の話をしたが、今回はこれにも関連して「セットメニュー」というものに触れていきたい。


 ファミレスなどで昼食を取るときに、あらかじめ定食メニューをオーダーする場合は良いのだが、単品のメインをたのむときには難儀する。

 単品のメニューにはたいていライスが付いてないので、これを別にオーダーしなければならない。その時にライスをメニューの中で探そうとしても、とてもわかりずらいように工夫しているのだ。

 そして「ライス、ドリンクバーセット」だの「ライス、サラダバーセット」だのしか、目立つ形ではメニューに表示されていない。こちらとしては急いで昼食を済ませたいからファミレスという店舗を選択しているわけで、呑気に食後のコーヒーやらサラダバーやらは必要ない。

 店舗側としては、なるべくライスを単品でオーダーされるよりは、何とか「セット」形式にして客単価を上げたいのであろうが、このような姑息な企業戦略には、ほとほと愛想が尽きる。

 当然のことながら、私は不必要なセットメニューなどはけっしてオーダーしない。後でコーヒーを飲みたくなったら、その時にオーダーすれば良いのであるから。


 またチェーン店の中華屋などのメニューにありがちな「お得な餃子セット」というのも、いやらしい方法だ。麺類やチャーハンなどに餃子をセットすれば安くなりお得ということだろうが、値段を計算してみるとわずか10円や20円しか割引がされていない。この程度で「お得」という表現もどうかと思う。

 別に食べる意思が強くないものまで余計にオーダーする必要などはない。そもそも、いちいち10円ぽっちお得だからといって、余計なものまで食べていたら肥満になってしまう。


 だから、私は基本的に「セットメニュー」にはいつも懐疑的である。しかし、これは海外では別だ。フランス旅行にでも出かけ(日本国内の高級フランス料理店でも同様だが)、フランス料理のお店などで食事をする場合は、「ムニュ」(フランス語で本日の定食という意味)を必ずオーダーした方が良い。アラカルト(単品)でオーダーすると、とてつもなく高額になってしまうことが多いからだ。