これはちょっと変だぞという、巷にあるお店について何回かにわけて書いていきたい。現在ブログで書いている「リスク」シリーズと合わせて、読んでほしい。

 

 最初はマクドナルド。私はマクドナルドが嫌いではないし、「フィレオフィッシュ」や「ビックマック」などは、たまに食べると美味しいと感じる。だから単純なマクドナルド批判の話としてだけ捉えないでほしい。


 では、マクドナルドの何がおかしいと言うのか。それはメニユーがないことだ。店内にはメニューがない。メニューは注文を受けるカウンターにしかない。

 そのためか、あらかじめオーダーする商品を決定することができない。カウンターに来て初めて何をオーダーしようかなとなるわけである。しかも、そこにあるメニューはとても見にくいのだ。そうこうしているうちに、客は焦ってくる。店員はせかす。後ろには多くの客が列をなして待っている。「早くしろ!」という無言の気配すら感じられる。

 すかさず店員は特定のメニュー(これがほとんどセット商品なのだが)をしきりに勧めてくる。結局のところ、特定のセットメニューをオーダーするように見えない圧力をかけているのである。


 私のような人間はそもそも、そのような雰囲気を無視するタイプなので、周囲を気にせず時間をかけてゆっくりとメニューを眺めながら、自分が納得するものをオーダーする。

 迷惑も気にしない。一度、あまりに長くメニューを眺めていたので、店員にやんわりと文句めいたことを言われたことがあるが、私はすかさずに「メニューがここにしか置いていないので仕方ないでしょう」と言い返したくらいだ。まったく嫌な客だ。しかし姑息な企業の戦略にははまりたくない。


 しかも、マクドナルドには恐るべき矛盾が存在する。それはオーダーの仕方によって、同一の商品でも購入価格が数十円ほど異なるのだ。これはクーポンを使用するとかではなく、きちんとその場でオーダーする場合においてである。

 メニューをじっくりと観察することせずに、漫然とセットメニューをオーダーしてしまうと、まんまと数十円損をしてしまうのだ。このことをある朝、定員に指摘したことがあった。彼女はその場で勘定を計算してから、不思議そうに「確かに、同じものでも値段が違ってきますね」と答えた。

 そして、その後で「どのようにオーダーしますか?」と聞いてきた。当然、私は「安い方ですよ」と答えた。