最近、雨天のせいか本を読むことが多い。今日、読んだ2冊について。



「戦略的思考とは何か」(エール大学式ゲーム理論の発想法)

アビナッシュ・ディキシット、バリー・ネイルバフ著  TBSブリタニカ


 政治やビジネスの世界でよく用いられる「ゲーム理論」に関して、面白く解説されている一冊。様々な事例が取り上げられ、ケーススタディーとして説明されているので、とても分かりやすい。

 特に「瀬戸際戦略」「インセンティブ」のところが、面白かった。

  


「異人論」(民族社会の心性)

小松和彦著 青土社


 共同体にとって、時には「マレビト」(神)として幸福をもたらし、時には「妖怪」として蔑まれ虐待される、(異人)について、数々の伝承(フォークロア)を引き合いに出しながら言及した一冊。

 農耕民族である日本社会の特質、そしてその周辺社会、そこから訪れる異人に対して抱く共同体的な意識についてあらためて考えることで、解放されなければならない私たちの民族がつむぐ歴史的な記憶が浮かび上がる。



 この2冊はどちらも、極端に専門的で難しくなく、かといって薄っぺらい通俗的なこともなく、良質な書物です。