最近、政治家および政治関係者に直接、または間接的に接していて感じることだが、悪い連中は少なくなったが、逆に卑怯で小ずるい者が多いような気がする。これは何も政治関係にかぎったことではない、いまの世の中での一般的なことなのかもしれないが。

 目先の欲や自己満足、プライドや意地、見栄やてらい、浅はかな優越感や欺瞞のために、多くの者たちは自分や周りをごまかし卑怯な行動にでるものだ。

 いくら上手に建前でごまかしても、その者の人間的な卑劣さやずるさは隠すことができない。さりげなく隠しているつもりでも、わかってしまうものだ。このような場面をたまたまでも見てしまうと、怒りよりも悲しくなる。政治以前の人しての品性の問題だ。


 誰だって弱いし、隠れて自分だけ美味しいおもいはしたいし、理由をつけてごまかしながら小ずるく振る舞いたい、そんな欲求はもっている。私自身の内面にも、そのような良くない部分はある。たぶん誰だって、生身の人間なら、そうであろう。

 しかし、それについてふてぶてしくも居直ってしまうのと、最低限恥ずかしいことだと内省するのとでは、天と地の差があると思う。


 政治に携わる者に求められることは、真実を見抜く判断力、実行を促す勇気、そして何よりも精神の高潔さだと思う。すべての言動と行動には、必ずそれなりの責任が伴うのだから。


 真っ直ぐじゃないことはやめよう。優しい人々や世間は、憐れみを感じながらも、そんなずるい行為を許してくれるかもしれない。しかし、どんなにその時に自分で納得していても、ある将来の時点での自分自身はそんな行為を決して許してくれないものだ。そして自分の恥ずかしさ、みじめさに悲しくなる。 


 何を当たり前のことを書いているのだと指摘されそうだが、この当たり前の真実を、小馬鹿にして、または忘れていて、人は後悔するものだ。