先日、チェンジではなくリセットだ、と書きましたが、そもそも現行制度のリセットとはいかなるものになるのかについて述べていきたい。しごく簡単な話だが、すべて白紙状態に戻るということになる。

 年金もなし、医療保険もなし、終身雇用制度もなし、様々なセーフテーネットもなしなし。「何を言うか、とんでもない」というのが、大方の人々の感想だろう。私もこんなことは表では口が裂けてもいえない。しかし考えてみよう、これらの社会保障制度をいったん白紙にすることで、いったい何が優先的に必要なのか、何が無意味なものかが選別されるだろう。

 どうせ破たんが目に見えているのに、なんとかかんとか誤魔化し誤魔化し問題を先送りにするよりも、一度白紙状態に戻してから考え直す、制度を構築し直す方が、よりうまくゆくのではないか。

 そもそも、前述した年金やら、医療保険やら、企業の福利厚生やら、そんなものは歴史的にごくごく最近生まれたもので、ほんの100年前には現在のような状況などなかったのだから。当たり前と思っているものは、実は当たり前でもなんでもない。むしろなくて当たり前。それならば大正時代の人々は、毎日地獄の苦しみの中で生活していたのだろうか。そんなことはないだろう。携帯電話は現在では必需品だが、20年前にはなくても別に不便さなど人々は感じなかったものだ。

 つまり、現在ある状況はなにも当たり前の前提にはならないということだ。そしてそのことをきちんと受け止めることが建設的な第一歩だろう。だからあえてリセットなのだ。

 それにしても人間はどうして現状を普遍的な状態だと勘違いするのだろうか。まさに人間は現にあること、現に見たもの、現に体験したことを一番信じるものだからか。まさに、インチキなネズミ講商法や怪しい新興宗教がなくならないのは、この法則によるところが大だ。

 国家的なペテンや誤魔化しについても同様だ、というよりももっと強く大衆の信頼を固くする分、さらにたちが悪い。しかし真実に直面する瞬間は必ずやってくるものだ。


 午後は曙橋でビラ配りをした。反応は冷たかったが、「この間、恵比寿駅でもらったよ」という人に出会った。まあ、人は移動するからなあ。夜は勉強会、上田ゆきこ文京区議会議員、すだけん渋谷区議会議員、ひうち優子世田谷区議会議員、山本りえ中央区議会議員なんかに会うだろう。