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hiro-chanのsmile日記

2014年9月に乳がん発覚。
手術、化学療法を経て現在、経過観察中。
乳がんと向き合いながら日々のできごとや想いを綴っていきます♪

前記事からの続きです。

 

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3.一体どうやって乳がんであることを乗り越えていけばいいのか?

保坂 隆先生

(聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長)

 

うつ病について

乳がん患者の3人に1人には、うつ病か適応障害(軽いうつ病)が合併する。

うつ病が合併すると免疫機能が低下し、がんの進行が早くなり予後にも悪影響を及ぼす。

なので、うつ病に早く気づいて早く治療しなければならない。

うつ病は治る病気である。

うつ病の症状抑うつ・身体症状・精神運動抑制(精神の抑制、運動の抑制)

精神の抑制ホルモン療法中に起きる。(乳腺専門医からの説明があまりされていない)

(物覚えが悪い 集中力がない 持続力がない 決断できない 考えがまとまらないなどの症状がある)

ホルモン療法の副作用としてうつ病や認知障害があるが、ホルモン療法を終了すると症状が改善する。  

 

がん患者のうつ病が見逃されやすい理由として

自分の患者(自分の家族)が精神的な疾患に罹患しているはずがない、罹患していないなどの患者の主治医の思い(患者の家族の思い)がある。

また、「がん」という病気に罹っているのだから落ち込んでいてもそれは仕方のないことと正常判断の拡大解釈をする傾向にあるためである。

 

このことから、患者自身が「自分はうつ病なのでは?」と気づくことが大切!

うつ病の症状が2週間以上続いたら、医療機関を受診した方が良い。

 

~抗うつ剤を使用せずにうつ病を治すためには~

生活の中にスポーツを取り入れるとよい。(好きなスポーツなければスクワットなど)

運動には薬と同じくらいの抗うつ作用がある。(臨床試験(RCT)でも評価されている。)

脳を鍛えるには、運動(有酸素・無酸素)がよい。筋トレもうつに有効。

不安障害、不眠症にも有効。認知症の予防効果もある。

朝日を浴びるとうつ病にも不眠にも有効なので「朝日を浴びながらの30分から1時間程度の散歩」が手っ取り早くて良い。

 

ソーシャルサポートについて

家族との絆はがんの経過に良い影響を与える。

しかし患者の家族の方が傷ついていることもある。

「私よりも主人をサポートしてあげて欲しい。私よりもショックを受けているから。」と話す患者さんもいる。

 

患者の家族には二つの側面がある。

一つは患者的側面として大切な人を失いつつあるという予期悲嘆。もう一つは大切な人を支えていくという治療的側面がある。

患者の家族は矛盾した二つの役割を課せられている。

 

「夫婦間の遠慮」家では乳がんについて話をしない患者さんが多い。

「何をしてあげたらよいか分からない」どう接したらよいか分からない。

(患者)…がんなってしまって申し訳ない。

夫婦間で遠慮が生まれてしまう。

患者さんは「乳がんなんだから頼っていいんだ!」と考えて、何がして欲しいのか夫に伝えること。夫は妻(患者)に「何をして欲しい?」と聞くこと。

夫婦間のコミュニケーションを通して乳がんを二人で乗り越えて欲しい。

 

ソーシャルサポートとは身近にいてその人を支援したり、助けてくれる存在である。

ソーシャルサポートの重要性は医学的に証明されている。

ソーシャルサポートのある方が病気になる傾向が少ない。ソーシャルサポートのあるがん患者の方が長生きする。

また主治医とフランクな関係を築けると長生きする。

 

ソーシャルサポートには3種類ある。

情緒的ソーシャルサポート:その人といるとホッとする。癒される。

手段的ソーシャルサポート:送迎などの実際的な助け。

情報的ソ-シャルサポート:正しい情報を集めてくれる。

分類ごとに2~3人いたら理想的!

(全部、夫一人という患者さんがいたがそれではよろしくないとのこと)

※「となりのトトロ」に出てくるトトロとネコバスは、さつきとメイにとってソーシャルサポートになっている。

(トトロ情緒的ソーシャルサポート   ネコバス手段的ソーシャルサポート)

 

がん患者のためのグループ療法について

同病や同じ状況の者だけが互いに理解し合えて助け合える。グループ療法、自助グループ、患者会など

聖路加国際病院では若年性乳がんのグループ(35歳以下) Pink Ring

          乳がん患者のためのサポートグループ Smile Ring

☆グループ療法は患者のQOL向上に有効!

 

誤解からくる不安について

がんイコール()死と思っている。本当??

一生で2人に1人ががんに罹患する(50数%)。そして3人に1人ががんで亡くなる(30数%)

残りの20数%のがん患者は他の疾患で亡くなる。

なので「がん=死」ではない。

がんは糖尿病や高血圧症と同じ慢性疾患である。完治(もう受診しなくて良いですよ)はしない疾患。

そして完治する疾患は意外に少ない。炎症性疾患(抗生剤の効く疾患)は完治する。

 

スピリチュアルな概念について

乳がん患者はどんな早期の乳がんであっても、告知された瞬間には「死がよぎり」生来のスピリチュアリティが喚起される。

スピリチュアルな概念がないと可哀想な亡くなり方が多い。

スピリチュアルな概念があると死がよぎるときに生来のスピリチュアリティが喚起される。         

 

死に方の回象限とは何か。

「あの世はある」と考えた方がお得。

 

あの世はあると仮定する。あの世にはご先祖様がいて自分の生活を見守ってくれている。

危ない時には警告を送るようだ。何度、警告しても気付かなかった時に乗り越えられる病気にするようだ。

病気になって、今後どのように生きるのか考えるきっかけを与えてくれる。

死が訪れても、あの世でご先祖様が待っていてくれる。

 

ベネフィットファインディングについて

がんになって悪かったこと・良かったことリストを書いてみる。

ただし、乳がんに罹患後3ヶ月経過してから行うこと!

気持ちを整理していくうちに、良いことの方が多くなる。

これは、がんになってから心が成長(心的外傷後成長)するからである。

心的外傷後成長は人に対しての思いやりや新たな可能性をもたらす心の成長である。

 

乳がんになった意味を考える

患者の多くは乳がんになった原因を探すことが多いが、結局は分からないし何も見つからない。考えても仕方のないことなので原因探しは良くない。

ここは「せっかく病気になったのだから」、乳がんになった意味を考えよう。

ただ「早く死にたくない!」などの漠然とした理由ではなく、歳までには絶対に生きなければならない理由や目的を明らかにすることが乳がんであることを乗り越える一つの方法である。

 

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☆次の記事に続きます。