一ヶ月前の今頃は本公演の最終リハーサルも佳境を迎えピリピリしてた頃。

随分と時間が経ちましたが

ようやく落ち着いたのでなんとなく前作を振り返ってみようかと。

ちなみに本公演をご覧になられてない方にはつまらない作品後記です。

あらかじめ。



まずは前作のタイトル『Mr.教授の危険なマスカレイド』ですが

このタイトルに行き着くまでのタイトル候補にどんな物があったかと言うと


①マスク~invitation~
②インヴィテーション~零番地からの招待状~
③とある男の奇妙なマスカレイド
④Mr教授の奇妙なマスカレイド
⑤エキセントリックゾーン~Who I am~
⑥この世はマスカレイドショー!
⑦山田君の憂鬱~奇妙なマスカレイド~
⑧WHO!WHO!WHO!~奇妙なマスカレイド~


ありゃ~目を覆いたくなるようなタイトルが二つ程あります。

もう5番なんてなんざんしょ?中学生レベルの英文がサブタイに。

7番は意外に好きだったんですね。

『この世はマスカレイドショー!』だったらどんな作品になってたのか?

しかしそれはそれで見てみたい気もする。

と言う事で昨年の10月19日の主宰とのメールでのやり取りで

タイトルを決めようとしていた事を考えるとこの時点では無執筆。

約一ヶ月で脱稿したと言う事みたいです。



ま、中心人物はみんなが中心人物みたいなものでしたが

作者的には無論、山田二郎君です。

この役は結果的にベニバラ兎団の【伊藤航】が演じた訳ですが

チラシ撮影の前日まで田中二郎を私か?航か?

ギリギリまで決まらなかったのです。

しがないサラリーマンの田中は40代と言うイメージだったのですが

IZAM氏の「ムシューはトオルさんじゃないですか?」

「そうですね」

あっけなく作者は折れ、航が演じる事になった訳です。

20代の航がウダツの上がらない田中二郎を上手く演じましたね。

逆に私じゃなくてよかった。

そしてラストシーンで登場する人間環境学の教授は

もともとプロット上ではIZAM演じたガーゴイルがやる予定でしたが

着替えが間に合わないと言う、かなり作品とはかけ離れた物理的な事情で

ベニバラの古宮さん演じたピーターにやって貰いました。

でも出演者の中で、一番スマートでイカした教授です。

もっちゃんで逆に正解。


ちなみにベニバラの女優【黛実希】が演じたマレですが

眉毛が繋がってましたね。

その事に強烈なコンプレックスを持っていると言う設定でした。

実はコンプレックスを抱く女性にしようと言う設定が先ではなく

眉毛を繋げてみたい、眉毛が繋がってる人に良い事言わせてみたい

迂闊にもそれにジーンと来ちゃって「おいおいでも眉毛繋がってるぞ」

そんな精神的にググっと来るコメディをただただやりたかった。

なので眉毛先行のコンプレックスと言う設定でした。

このマレにはアレシアと言う妹がいましたが覚えていらっしゃいますか?

姉妹の名前は実際にパリにある町の名前から拝借。

マレは裏原宿みたいな町で、アレシアはどこか庶民的な町。

パリが大好きな私の作品には度々パリの町の名前が出てきます。

6月の本公演のタイトルも「カルチェラタン」

登場人物達の名前にもチラホラと出てきます。

一応、その人物設定のイメージと町のイメージを合わせてあります。

あくまでも私的イメージです。

てな事で、一人ずつの配役に対してコメントするには膨大な量になるので

この辺でやめておきますが、どの俳優、女優もキャラクターを

脚本以上の物にしてくれたと思います。



ボンソワールとしてはバイオ9に続くダーク色の強い作風になりましたが

やはり私はもっともっと身近なヒューマニズムが本来好きなタイプなので

何かに大きく揺り動かされない限り、この手の作品は暫く書かないでしょう。

今年はまた元のスタンスに戻るか?それとも新しいジャンルに挑むか?

それは分かりませんが

いずれにしても、すぐそこにあるリアリティをテーマにした

コメディに向き合う事になるでしょう。

秋の新作書き下ろしを楽しみにお待ち下さい。

私も楽しみです。

ともあれこの作品はファンタジーと言うテーマが大前提としてあったので

照明スタッフ、

音響スタッフ、

舞台監督、

ミュージシャン、

作曲、共同演出の主宰IZAM君、

みなさん、作者の世界観を具体化する事に本当に大変だったと思います。

言うまでもなく、演じた俳優、女優陣の皆さんもしかり。

とりわけ今回ラストシーンで雪を降らせる事に力を貸してくれた

マジシャンの「高尾晃市」君には本当に感謝。

実は別件でお仕事を御一緒してたのですが

無理を言って彼のショーの演目でも使用されているあの雪を

ベニバラの舞台でも降らせて貰ったのです。



一人の作家がグダグダとあーでもないこーでもない

あ~もう辛い、あ~もう才能ない、あ~ここからどーしよう?

そもそもこの作品面白いの?おやオモロイ!あ行けるね!あ~また煮詰まった!

などと相当独り言いいながら書いた作品を

才能ある多くの人材が一つの舞台芸術にしてくれる演劇の面白さ

力強さ、人間の心と言うアナログの素晴らしさを改めて感じたのでした。

何年やってもこの世界は奥深く、そしてオモロイ。


そして私は、私達は次回作へと突き進むのです。







さてBS-TBSで毎月一回土曜日の深夜に放送されている

「帰ってきた!ベリーズ仮面」

Berryz工房のメンバーが扮する最弱ガールズヒーロー達の物語りです。

こちらのドラマ部分をボンソワールが書いてます。

全くベニバラ兎団の作風とは違うので、ご興味のある方是非ご覧下さい。

こちらも個性豊かなメンバー達が脚本以上の面白さでやっちゃってくれてます!

もう作者としてはお手上げに面白い。

凄いんですね、みんな感が良いと言うか、才能あると言うか。

う~ん、簡単な言葉になるけど、みんなコメディが上手い。

コメディはリズム感がないとやれないジャンルなのですが

彼女達はとても自然体でそれが出来てる事が素晴らしい。

あとはメンバー同士の阿吽の呼吸。

こればかりは脚本では表現出来ません。

この阿吽の呼吸が出来るグループは強いです。

ボンソワールの作品を伸び伸びとやってくれているBerryz工房。

ホント、面白いですよ。



そしてまだオフィシャルにして良いのか分からないので

かなりグレーに言いますが、昨年暮れ某テーマパークさんよりお話を頂き

作品を一つ書きました。

私の大親友のアーバン宝田がこよなく愛する

あのスーパーキャラクターを起用した20分程のショーです。

この春から秋まで公開されます。

子供から大人まで楽しめるダンサブルなショーになりそうです。

この春、みなさん遊びに行って感想を聞かせて下さい。

詳細は改めてお知らせ致します。


久しぶりに長く書いたブログ。

もう日記の域、越えた。

最後までお読み下さったみなさん、ありがとう。