義父には長く付き合っている彼女がおり、その彼女と金を出し合い家を買い、そこに自分の部屋がある。そこに義妹Dが娘と転がり込んでいるので、血は繋がっていないが、義父の彼女はその娘からは「おばあちゃん」という意味でナナと呼ばれている。

 

そんな義父はこちらの家にも部屋があり、家賃も光熱費も払っていないのに、一番大きい部屋でタバコを吸い、酒を飲む毎日を過ごしている。タバコの煙のせいだとは思うが、1年中、どれだけ寒かろうと窓を開け放ち、暖房をガンガンきかせている。

 

最近長く付き合っている彼女ではない女性が、こちらの家に頻繁に来るようになった。紹介もされないので、お互い名前も知らん間柄であるからして、家に入って来る時などに会ってしまうと大変気まずい。二股相手やろうか…それともこっちが本命になったんやろうか…という、どちらにせよ、いぶかしげな目で見てしまう。

 

今日は義父に頼まれてなのか、自主的になのかわからんが、ビールを12本ほど抱えてやってきた。なぜあんなに酒を飲み、タバコを吸い、めっちゃ太っている義父がいいのだろうか。なぜあのクソ汚い部屋に滞在できるのだろうか。私には義父の魅力など1ミリも分からないが、何歳になっても恋は盲目ということか。「あの人はやめとき。絶対他にいい人いるで」と会うたびに心の中で思う。

 

「あの…義父には長く連れ添っている彼女がいるのをご存じですか」といつか聞いてしまいそうな自分が怖い。