自粛期間となった2月、何の張り合いもない日々の楽しみは犬の散歩とお風呂。


ご存知の方もいると思うが、お店の上の23000円の部屋に住んでいる。


コンセントが部屋にひとつしかないことや、お風呂の温度設定や追い焚きがないこと以外さして不自由はしていない。


いなかった。


温度設定がないということは75度くらいのお湯が出てくるということだ。


ガス台は置いてないし、流し台も潰してCDやらレコードやらの置き場所となっているし、冷蔵庫もないし、食糧もひとつもない。


それもひとえに階下にお店があるからだが、どうにもお腹が空いた時用にカップ麺を常備しているのだが、調理器具もないし、下に行くのも面倒なので、お風呂場の蛇口から出る熱々とまではいかないお湯を注ぎ、少し硬めの麺を啜る。


カップ麺は作れないが身体には耐えられない温度はガス代が滅法にかさみ、何回も温泉に行ったにも関わらず、2月の請求はあえなく22500円となった。


湯水のようにお金を遣う割に、根が貧乏性な自分は家賃が23000円なのにガス代が22500円なことがどうにも腑が落ちなく、その後の2ヶ月を節制を心掛けてみるも納得ができず、5月の頭をもってガスの契約を解除した。


夏場においては汗でベタつくのが嫌なので、日に2度ほどシャワーを浴び、夜は湯舟に浸かる生活を送っていた自分は、これからどのようにするべきかを考えたとき、100円ショップへ赴き、10リットルのバケツを3つ購め、仕事終わりに職場でお湯を貯めて浴室へ持ち込むことにした。


はじめは3つのバケツに24リットルくらい貯めていたが、腕が2本しかなく階段を2往復するのが億劫になり、2つのバケツに18リットル貯めて1度で済ますことに成功した。


お店にはあんなにあるグラスも、部屋で使えるものはひとつもなく、最早、グラスも兼用となった風呂桶で掬い、まずはひとつのバケツで髪と身体を洗い、流れ落ちるお湯がもったいないので、バケツに戻るように体勢を整え、最後にきれいな方のバケツで全身を流す。


何日かしたとき、そういえば入浴剤が余っていたな、とバケツに入浴剤を注げばリラックスできた気持ちになった。


余暇があるときは銭湯に通い、1ヶ月くらい経った今、自分が体の良い浮浪者、壁付きのホームレス、屋根付きの乞食のようだなと思いはじめた。


そういえば昔から、ビシッとスーツを決めたサラリーマンやカッコよく着こなす普段着にあこがれを抱くことがなく、くたびれたノーブランドをヨレヨレに着こなすおっさんや、「人間はどうしたらこんなことになるのか」と浮浪者や乞食を好奇の目で見ると同時に、乞食然としたものを畏敬や憧れの対象として見ていた感が否めない。


おれにはもしかして乞食の才能があるんじゃないのか、と思っては見たものの、勇気がないのでもう少しがんばらせてください。


今日は暑くなるそうです。


おはよう。