前回のつづき

何せ書き始めるまでに時間がかかりすぎる



産科待合での待機を命じられ

きゅーでぐぬぬでフヒーとなっていると

病棟の看護師さんが車椅子持参で登場

えええいやいやそんなあーわたし歩けますよ

などとビビるも

いや乗った方がいいよ 乗りなさいよ

と夫がもっとビビっていたので素直に従い運ばれる

なにこれすごく病院っぽい


外来を後にして

廊下を渡って

エレベーターに乗って

そして

病棟のドアが開く

ああ此処は


わたしは此処を知っている

羊水検査で一度此処に入院したのだ

あの時は

『諦めるため』に

ここに来て

また

『終わらせるため』に

戻って来る筈だった

あの時の胎児はこんなにも大きくなって

わたしは

『生きて産むため』に


そんなことを思い巡らせていると

辿り着いたのはLDR室

部屋の中央付近にデデーンと電動ベッドが鎮座していてビビり散らかす

ここで出産まで過ごしますヨー 

昼食から出ますからネー

病室は別にあるので荷物を移動しときましょうネー

ということで

持ち込んだ荷物を選別し夫と助産師さん方にあれこれ運んでもらった

この時まだ午前中で11時付近だったと思う

ちゃんと記録しておけばよかった

あまりの夢か現かの状況に舞い上がってそれどころではなかった


助産師さんによる内診の結果

今すぐどうというわけではなさそうなので夫は一旦帰宅

またそろそろって時に呼びましょうネー

とのこと

わたしはと言えばきゅーぐぬヒー(もはや略)となりながらも昼食は完食

まだこの時は余裕だった

助産師さん方にも

なんだかケロッとしてるからサクサク進むかもしれないですネー

などと言われて

そうですかあ?わたし痛みに強いんですよねえ!

とその気になっていたあほなわたしをぶん殴りたい

今となっては


陣痛を進めるために

とのことで

助産師さん引率のもと廊下を歩いてみたり

頼んでもいないのに

足湯にマッサージやらアロマオイルやら

なんだかもうほんとなんなんやこの状況は

現実なんかこれ

こんなあれこれお世話されちゃって恐縮の極みすぎてやばい

そうしている間にもきゅーぐぬヒーは強くなっていくし

ベッドから10歩足らずの距離のトイレに行くにも一苦労になってきた

さらには胃なのか食道なのかその辺の違和感も増してきて吐きそう

ってかこれいつまで続くんや

さすがに今日中には産まれる‥んだよ‥ねえ?


ひとり戦っていると夜メシが運ばれてきた

クリームコロッケとトンカツである

揚げ物!

内臓がイカれてる中よりにもよって!

無理やりコロッケだけ半泣きで食べたが

トンカツは一口かじって終わった

ごはんにはほぼ手がつけられなかった

不本意すぎるこんなのわたしじゃない

いつもならひゃっほう状態なのに

夫にも状況を伝えたところ

まじかよそんなことあるんかと驚愕していた


ちょいちょい助産師さんが来て

内診したりモニターつけたりしていくが

まだですネー

次は2時間後に来ますネー

痛くなったら長〜くフゥーーーですヨー

とか言って爽やかに去っていき都度

少なくとも2時間はこのままってことなのですね

と途方に暮れる


そうだ

テレビだ

野球

野球を観るんだわたしは

BSが映らないのは残念だけど

まあ地上波で放送されるからよかった!

さあ観‥れないちっとも!

内容が全く入ってこない!

いてぇ!いてぇすぎる!

きゅーぐぬフヒーゥーーーーー

打った!誰かが打った!

ぎゅぬぅううううーーーーー

入った!点が入った!どっちの!?

ぐフうううううぅぅうーーーーー

あっ助産師さん!

今誰が打ちました?

ドゥフぅーーーーー

 

頼むから

夫を呼べと

言ってくれ

つまりそろそろですよと

言ってくれ


そんな思いで

夫にはいつ連絡すればいいですかあ?

と助産師さん来訪の度に聞いていたところ

やっと具体的な回答を得たと思ったらこれ


ウーン今の状況だと今夜になるか深夜になるか早朝になるかまだわからないんですよネー

そうだなあーじゃあ22時ぐらいにお手伝いに来てもらいますか?


あこれいわゆるレミゼ

嗚呼無情


わかった

今日中はもう諦めるとして

そうは言うてもさ

日付変わったらそのうち産まれるんだよね

だって日付変わったらってもう入院から12時間超だし

そうよ

そうに決まっとる