2025年6月議会で行った、私の2つの一般質問の詳細ご報告です![]()
※やり取りは抜粋&要約しています。
榎本
担当部長等
教育長
市長 としてご覧ください。
《一般質問テーマ①》
子どもの権利を尊重し、子どもも親も安心できる不登校支援を
子どもの不登校は近年急激に増加をしています。
2024年度の調査では、小中学生が34万6482人、高校生まで含めると41万5252人に上ります。これまで少なかった小学校低学年でも増えています。
議場配付資料1より
まずお伝えしたいのは不登校になるということは、その子のせいではなく、また保護者の甘やかしとか怠けとかで起こっているものではないということです。
不登校になってしまった子は、社会の中で違和感を覚え、傷つき、我慢に我慢を重ねた末に、「もう無理」と、ある日学校に行くことを体や心が拒否します。
その理由というのは様々あり、不登校になってしまった子たちの心は傷つき折れている状態にあります。
骨折した子を走らせないのと同じで、心の折れた子どもに無理に登校させようと促してしまうとお腹や頭が痛くなるとか、顔から表情がなくなってしまうとか、心身に不調をきたしてしまうようになってしまいます。
子どもの権利の立場から、子どもは安心して休む権利があることを踏まえ、不登校への支援の基本を、子どもの心の傷の理解と休息・回復の保障に置くべきです。
そして、回復してきた段階で、次に具体的にどうするかを子ども自身が決めることも子どもの権利です。
もし学校以外で学びたいといった場合、その子どもの学ぶ権利を保障するために、市は様々な環境を整える責務があると考えます。
また、同時にその親にも支援が必要です。
「体調悪くなるなら学校休んでいいよ」とは言ったものの、その状態が長く続くと
「このままでいいのだろうか」と悩んだり、子どもの将来への不安や葛藤の中で
「子どもにどう接していけばいいのか」
「周りから甘やかしではと思われているのではないか」
「どこに相談していいのか」
「仕事は休めるのか」。。。悩みはつきません。
子どもの学校やフリースクールへの付き添いや送迎をしている親もいます。
毎日の昼食作りも大変です。
様々な理由で学校に行けなくて苦しんでいる子どもたち、そして一緒に悩みながらそばで支える親に対して、現在市で行われている様々な支援をより安心できる体制にしていくべく、
質問しました。
市内不登校児童生徒数の過去5年間の推移は
不登校児童生徒数は、
【2023年度/県内】
小学校:5,958人、中学校:1,833人、合計16,791人
※令和4年度に比べ19%増加
【蓮田市の割合推移(過去5年間)】
小学校
2020年度が0%、2021年度が0.63%、2022年度が0.38%、2023年度が0.64%、2024年度が1.08%
中学校
2020年度が2.08%、2021年度が1.76%、2022年度が1.74%、2023年度が1.83%、2024年度が2.8%
2025年度の在籍人数ベースで単純検査をしたところ、2024年度時点の市内全体の不登校児童生徒数は、小学校で約28人、中学校で37人となる。
1校あたり小学校では3.5人、中学校では7.4人。
この実態についてどのような認識をお持ちか?
不登校の要因背景は複雑化、多様化しており、一人一人で異なる。誰にでもふとしたことがきっかけで起こり得ることが不登校。
2023年度の埼玉県全体と蓮田市の不登校児童生徒数の割合を比較すると、埼玉県は小学生1.69%、中学生6.17%となっており、蓮田市は小学生0.64%、中学生1.83%となっている。
数字だけを見ると、蓮田市の不登校児童生徒数の割合は少ないと捉えることができるが、数字だけを見るようにはせず、児童生徒一人一人の考えや悩みを受け止めることを最優先と捉えている。
中にはクラスの人数が多くて入りにくいため、別室を希望したり、特にクラス内に気になることはないけれど、一時的に教室に入ることができなかったりする児童生徒もいる。
人間関係が原因の場合は、本人や家庭と学校が連携し、問題を解決することで教室に入れるようになったり、解決しても入れなかったりと多岐にわたっている。
そのため、本人や家庭と学校とのつながりを切らさずに、一人一人の児童、生徒への支援を続けていくことが重要であると認識している。
これは子どもたちのSOSのあらわれです。決して「少ない」と捉えてはならないし、
すべての子どもたちの学びや成長を保障するために、大人が本腰を入れて考え、すみやかに実践していかなければならない状況だと思います。
不登校やその支援に関する基本的な市の考え方は
埼玉県教育委員会の、一人一人の社会的自立に向けた児童生徒支援ガイドブック「総合的な長期欠席不登校対策」では、不登校対策について、不登校になってからの支援だけでなく、未然防止や早期に支援するなど、児童生徒を重層的に支援することで、誰一人取り残されない学びの保障を実現することが重要であるとされている。
県の方向性と同様に、本市にでも個々の児童生徒が社会的に自立することを目指し、自分の進路を主体的に考えられるようにすることを後押ししていきたいと考えている。
不登校の要因は様々であり、またその時々で変化する。
学びの保障も含め、一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援をしていくことが必要。
そのため、児童生徒とのつながりを切らさず、関係機関と連携をしながら組織的な対応を行っている。
特に、電話連絡や家庭訪問は各家庭の状況に配慮しながら、継続的に指導支援を行っている。
児童生徒や保護者への第一支援者にあたる学級担任や学年主任、マネジメント役にあたる管理職、スクールカンセラー、スクール、ソーシャルワーカー、心のほっと相談員、養護教諭等が定期的に情報を共有し、連携・共同しながらチーム学校による組織的な支援体制を築いている。
「子どもたちが社会的自立や進路を主体的に考えられるようになるために」とは、一体何が必要なんだろうか、ということをより掘り下げて考えてみた。
いろいろあるとは思うが、私は中でも「ありのままの自分で大丈夫、という自己肯定感が育つこと」や、また様々なことを学んで体験する中で「他者との関わりの中で、自分は必要とされている、役に立っているという自己有用感が育っていくこと」が大事なんではないかと考えた。それがあれば、子どもたちはこの先の将来、自発的に自分から動き出していけるのではないか。
「それが育つためには何が必要なのか?」とまた考えると、私はやはり子ども自身の声をしっかり受け止めて共感したり、あるいはより良い方向に導いてくれたりする大人の存在や仲間の存在、そして子どもたちが臆せず話しやすい環境があることが重要ではないかと思っている。
そして同時に、それは親に対しても同じことが言えると思っている。
そうなると、不登校に対する市の支援とは、学校内外問わず、子どもや親が安心して学んだり、相談したりできる人や場所、そのために必要な金銭的支援など、多様な選択肢の拡充が求められているのではないか。市としての認識はいかがか。
ご質問の通り、自己肯定感が育つこと、自己有用感が育つことはとても大切。
蓮田市ではキャリア教育にも力を入れている。
学校では、授業や体験活動を通して問題解決力などの学びの力を身につけさせるとともに、様々な自主的活動や学級活動を通して、人と共同しながら自ら主体的に社会を生き抜く力や、人生の設計力を身につけるキャリア教育の推進に努めている。
学級での班活動が役割を持ち、活躍の場がある学級活動を通して自分や他者の良さに気づくことができ、自分は役に立っていると感じることができるようになる。また、気持ちを受け止める他者の存在は非常に重要と認識している。
現在、市内各中学校には相談員が2名ずつおり、またスクールカウンセラーが月2回程度、各中学校を訪問し、生徒・保護者の相談を受けている。
小学校の保護者が中学校の相談員に相談を申し込んだという例もあったと聞いている。
教員には話しにくいこともある。そういう時はぜひ相談員を活用してほしい。
学校に来れる子には、校内の相談員やスクールカウンセラーに相談できますが、学校に来れない子には。。。?
まだまだ市にできることがあるのではないでしょうか![]()
教育センター適応指導教室「エコー」について
登録人数の過去3年間の推移は
適応指導教室エコーは、学校に行く気持ちを持っていても、様々な理由から学校に行くことができない児童・生徒に対して、集団への適応力や自立心を養う場として、黒浜北小学校敷地内に開室している。
入室するためには、事前に申込手続きを行う必要がある。
通室申請者の推移は、2022年度では小学生8名、中学生16名、2023年度では小学生6名、中学生17名、2024年度では小学生5名、中学生14名となっている。
登録人数でありに通室している人数はそれより少ないことはふまえつつ、市内不登校児童生徒数の推移について、おおよそ何割位の子たちがエコーに通室申請しているかを計算してみると、2022年度は不登校の児童生徒のうち小学生は約8割、中学生は約7割弱の子たちがエコーに通室申請していましたが、2024年度には、小学生は約2割弱、中学校は4割弱となっています。
エコーの指導員に聞いたところ、去年は一昨年よりは減ったけれども、大体1日5人くらいは来ているということでしたので、実際の通室人数にそれほど変化はないものの、エコーを利用しない子たちが増えているということが分かりました。
エコー設置目的の改定は
蓮田市教育センター設置規定第2条第3項では、エコーは「不登校の児童生徒の自立と学校生活への適応を図りながら学校への復帰に寄与することを目的とする」と書かれている。
エコーでは、県教育委員会の児童生徒支援ガイドブックで示されている内容と同様に、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、社会的自立に向けた支援を行いつつ、個々の児童、生徒の状況に応じて、学校復帰を視野に入れて支援しております。
設置規定第2条第3項とも齟齬はないと認識しており、現時点で設置規定の改定の予定はない。
ある不登校の子を持つ親御さんから「エコーだと学校に行くことを誘導されそう」という声を聞いた。
また、市の蓮田市魅力PRサイトの子育てのページにも「様々な事情で学校に通うことが難しい児童生徒が学校に復帰できるように」とのエコーに関する説明があった。
しかし、実際に私がエコーを見学してみてわかったことは、別に学校に行くことを誘導されるような場所ではなかった。
子どもたちは学校を休むことで心が休息できて、エコーでの指導員や通ってくる児童生徒たちとの関わりの中で、心のエネルギーが満たされてくれば、自然と学校に戻ることもあるし、もちろん戻らないこともありますが、通室する中で子どもたちが自然と変わることを待つというスタンスで「実際、エコーにずっと来ている子は変わるんだ」と、そういうふうに指導員の方もおっしゃられていた。
私は、このエコーは不登校の子どもたちが次の一歩を踏み出すまでの間の居場所としては非常に大きな意義を持つ場所だと感じた。
蓮田市教育センターの設置規定の第2条3項の目的は、このままの表現だと、学校への復帰に寄与することが最終目的となってしまっている。
この規定を作った時はそうだったのかもしれないが、今、国の不登校対応の方向性も変わってきており、子も親も絶対に学校に戻らなければとの認識は変化してきているように感じる。
県の児童生徒支援ガイドブックでも「子どもの本人の気持ちやどのような学校であればいけるのかという支援ニーズを理解し、寄り添いつつ、一人一人に応じた具体的な支援を」とあるので、この規定の目的の最後の部分の表現を「個々の児童生徒の状況に応じた支援を行うことを目的とする」と変えれば、実際にも即したものとなると思うが、そのように改定してはいかがか。
おっしゃるとおり、本市においてエコーの存在はとても大きな意味を持っている。
実際にエコーで生活していた生徒が、中学校の卒業式に参加できたとか、高校に進学して部活動を謳歌したり、夢を見つけて専門学校へ進んだお子さんがいたり、学校復帰や社会的自立を果たしている。
また、文部科学省から出された2023年11月17日の通知では、不登校児童生徒への支援は「学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童、生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があること、としているが、この通知はこの点のみを述べているものではない」と述べている。
つまり、文部科学省は、学校及び学校の設置者においては「誰もが安心して学べる魅力ある学校づくりに取り組む」よう述べている。
また、特に義務教育段階の学校において、その役割は極めて大きいことから、学校教育の一層の充実を図るための取り組みが重要であることや、不登校の時期が休養等の積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益等が存在することに留意すること等を述べている。
学校は多くの人たちとの関わりの中で、様々な体験や経験を通して実社会に出て役立つ生きる力を養う場。引き続き、不登校児童生徒の社会的自立のために学校の果たす役割は大きいことから、設置規定については現在のままで良いと捉えている。
学校の意義は当然理解していますし、魅力ある学校づくりは今後ももちろん進めていただきたいですが、そこに通うことができない子が増えてきている現状で、目的に「学校への復帰に寄与する」と書いてあると、どうしても学校に戻されてしまうのかと不安に思ってしまいます。
エコーは実際のところはそういう場ではなかったので、そこの説明については親への伝え方も含め、表現を工夫した方がいいのでは、と思います。
エコー指導相談員の増員は
昨年度は所長1名、指導相談員3名だった。
今年度は指導相談員4名に増員し、合計5名で運営している。
通室している児童生徒のためにより、きめ細やかな指導支援を充実させていく。
現場の声としては「増えたものの、親の介護であるとかご自身の体調不良であるとか、フルで働ける人ばかりではないので、子どもたちの対応をしつつ、相談対応や見学も来られる方もいたので手が回らず、やはり人手が欲しい」というお話だった。
人員が充実すれば、その分子どもたちと向き合う時間を増やすことができる。
いろいろな事情を抱える子どもたちなので、不登校の児童生徒数が増えている現状を踏まえて、増員を求めるがいかがか。
今年度から指導相談員を1名増員し、総勢5名の運営が開始した。
現在は増員して3ヶ月目となっているので、今後児童生徒にどのような効果があったかなど増員の成果等を研究していく。
現場の方ともお話しいただき、ぜひ増員の方向で検討してほしいと求めました。
より利用しやすい環境整備は
本市の適応指導教室は、黒浜北小学校内に設置されており、自宅から徒歩での通室が難しい中学生については、届けを提出することにより自転車での通室を許可している。
また相談員を増員したことにより、さらに一人一人に寄り添ったきめ細やかな支援を行うことができるようになり、例えば黒浜北小学校の理科室を使用した学習なども行うことができるようになった。
今後も児童生徒が安心して通室できる環境づくりを検討していく。
小学生は原則保護者の送迎が必要だと伺った。
やはり徒歩で通える範囲で、例えば中学校区に一つはエコーがあるというような形が本来望ましいのではないかと思う。エコーの増設についての考えは。
現在エコーは黒浜北小学校の敷地内に開設をしており、所長1名、指導相談員4名、合計5名で、現在市内の小学生3名、中学生4名、合計7名の対応をしている。
現在の利用人数等を鑑みても増設の考えはない。
通室申請している人数は、もっといるわけなので、市が「エコーの意義がある」と認識しているなら、学校へ戻すという最終目的を変えて、環境を整備し、より利用を促す周知をしていくことが、不登校の子たちの助けとなるのではないでしょうか。
指導員の数も、ローテーションなのでお休みがあると、やはり足りない状況もあると思います。その辺りの状況はぜひ詳しく聞いていただきたいと思います。
必要な方に届く情報発信は
教育委員会では、校長会、教頭会、教育相談担当者や、心のほっと相談員の研修会でも毎年、エコーの説明や取り組み状況等について情報提供や説明を行っている。
そしてエコーの環境を必要としている児童生徒、保護者の方々に情報が届くよう、リーフレットを作成し、教育委員会前窓口や各学校で、必要に応じてご案内しながら配布をしている。また、民生委員の方にも研修会等でエコーの取り組みをお知らせし、ご協力をいただいている。
今後も情報発信の方法に配慮しながら、児童生徒、保護者が必要とする支援に結びつけられるよう研究していく。
不登校の子を抱えるある保護者の方に「エコーという場所は検討したか」と伺ったところ、「どんな様子なのかが分からないので行きづらい」と感じ、「民間のフリースクールをネットで調べてそちらを選んだ」とのことで「SNSなどで情報発信してくれるとありがたい」という声だった。
今の保護者世代は、やはりネット媒体で情報収集する方も多いので、SNSやブログ等での発信にも力を入れてほしいと思っています。
ただ、個人が特定されないような配慮は必要かと思いますが、日々の活動内容が伝わる、例えばスタッフブログの形にするですとか、YouTubeのリンクを知る人だけが見られるようなクローズドの限定配信をするとか、そうした工夫した情報発信をしてはいかがか。
情報発信の必要性は非常に重要であると認識しており、どのような活動が行われているのか、ホームページ、ブログ、SNS等で発信していくことは効果的と捉えている。
その魅力発信に向けて今後も研究をしていく。
エコーは、いわゆる公設のフリースクールとも呼べる場所で、無料なのはありがたいことですし、少しでも通室できれば出席扱いにもなります。
そうしたメリットをしっかり伝えられるよう、情報発信の機会を増やして、通うことのハードルを少しでも下げられればと思います。
エコー入口(黒浜北小学校の敷地内ですが、校舎からは離れたところにあります)
エコーのホールから入口をのぞむ
エコーのホールから教室をのぞむ
ホールで行われているレクリエーション(子どもたちがその日に決める)
【'25年6月議会/一般質問①-2】へ続きます![]()




