ある本には、綴りと発音の規則的対応の例として、二重母音字の一覧表で、ei/eI/=Long-A みたいなことが書いてあり、私も最初は「ああ、ローマ字通りか。わかりやすい。」と思っていた。
ところが実際には、ei の綴りを「エイ」と読むのは規則的でもなんでもなかったのである。ei には、「イー」(ceiling)、「アイ」(eiderdown)、「エイ」(eight)、「エ」(heifer) などの発音があり、予測不可能なのだ。しかし、発音記号やローマ字に引きずられて ei =/eI/という誤解をまねくような等式を信じ込んでしまったのであった。
そもそも、「エイ」=Long-A が基本だと理解していれば、"a" の文字で始まってもいない、含まれてもいない ei が「エイ」をあらわすのが規則的でないことはわかるはずなのである。
でも待てよ。そんなことを言ったら、au/aw の表記は a の文字で始まるのに「エイ」ではなく「オー」と読むではないか、ということになってくる。fraud, sauce, law, saw などの単語に含まれる発音である。
一筋縄ではいかないようである。