6.6 「ストーンの友人たち」

これまでに説明されているように、極右集団は、「盗みを止めろ」という大義のもとに、2020年の遅い時期に一緒になった。彼らの中には、自らの生涯を何十年も前から汚れた詐欺師と宣言している右翼ロジャー・ストーンがいた。ストーンは、間違いなくトランプ大統領の最も古い政治アドバイザーであった。例えば、ストーンは、2000年大統領選挙中にトランプを無党派の大統領選挙候補とするために動いた。彼の政治的なコネクションに加え、ストーンは、扇動共謀罪で告発されている2つのグループである「オース・キーパーズ」と「プラウド・ボーイズ」を含む右翼過激主義者たちとの関係を深めた。

特別委員会は、連邦議事堂襲撃の直前の数週間に、「オース・キーパーズ」の少なくとも7名のメンバーがストーンの警護を行ったか、彼と共に時間を過ごしたと理解している。扇動共謀罪その他で起訴されている「オース・キーパーズ」のメンバーであるエドワード・バーレヨが公表したテキスト・メッセージは、スチュアート・ドーズとケリー・メッグスがストーンに対する警護の提供を議論していたことを示している。これらの「オース・キーパーズ」のメンバーの一部は、1月5日の夜ワシントンDCの「フリーダム・プラザ」でのイベント中、ストーンを警護した。ストーンはまた、1月6日の朝、「ウイラード・ホテル」の外では「オース・キーパーズ」によって両脇をガードされた。ストーンに警護を提供した「オース・キーパーズ」の一人は、ジョシュア・ジェームズであったが、2022年3月に扇動共謀罪、連邦議会の議事妨害罪その他の罪に有罪であることを認めた。ジェームズはまた、連邦議事堂に対する襲撃の数時間前に「ウイラード・ホテル」のストーンの部屋にいたことが報じられている。ストーンは、「プラウド・ボーイズ」との間で長期にわたる密接な関係を有している。ストーンは、「プラウド・ボーイズ」の宣誓を行っており、繰り返し同グループを擁護して来た。

デンマークのドキュメンタリー作家が、「プラウド・ボーイズ」と長年連携しているストーンを映画にした。2019年に撮影されたあるシーンで、ストーンは、連邦議事堂での暴動で「プラウド・ボーイズ」の中心的な指導者であったジョー・ビッグスに親しげに挨拶している姿をフイルムに収められていた。:「私の好きな男だ。ここにいた。」2019年の訴訟において、ストーンはエンリケ・タリオを彼の志願兵の一人であると確認し、タリオは彼の電話にアクセスすることができ、そこからストーンのインスタグラムのアカウントに投稿することができると説明した。

既述のように、ストーン、タリオ、そしてもう一人の「プラウド・ボーイズ」の指導者であるイーサン・ノーディーンが、2020年12月1日の夜、即興の集会であいさつを行った。「インフォワーズ」のホストのオーエン・シュロイヤーも彼らと一緒だった。

「我々は、2020年選挙の正直な集計を求めて最後の最後まで闘う。決してあきらめるな、決して辞めるな、決して降伏するな、そしてアメリカのために闘え!」ストーンは、群衆に告げた。数週間後の2021年1月2日、タリオは、フロリダにあるマルコ・ルビオ上院議員の自宅の外で「プラウド・ボーイズ」の抗議行動を主導した。「プラウド・ボーイズ」は、大統領選挙人による投票結果集計の1月6日の連邦議会の認証に対しルビオが反対投票を行うよう説得しようとしていた。ストーンは、そのイベントに参加するよう、タリオの群衆に呼びかけたことが報じられている。

ストーンがこれらのコンタクトを維持した一つの手段は、「F.O.S(すなわち、Friends of Stone=ストーンの友人たち)」と名付けられた「シグナル」上のチャットグループを経たものであった。選挙の2日後、ストーンは、次のようなテキストを送信した。「我々は、1日に数回情報を提供する。したがって、適時に行動できるようにぜひ「F.O.S.(ストーンの友人たち)」をモニターしていて欲しい。」アリ・アレキサンダーとストーンは、選挙と1月6日の間の「盗みを止めろ」戦略とイベントの調整を続けた。「シグナル」上での「ストーンの友人たち」には、アレキサンダーに加えて、ローズとタリオが含まれていた。

2020年7月、トランプ大統領は、ストーンが連邦議会に対して偽証したことなどで有罪になった後、ストーンに温情的な措置(訳注:刑務所入手前の禁固刑の執行免除)を講じた。その後、12月23日、トランプ大統領は、ストーンを恩赦した。その数日後の12月27日夜のディナーの席で、ストーンは、トランプ大統領に感謝した。

過激派のソーシャル・メディアのプラットフォームである「パーラー」への投稿で、ストーンは、トランプ大統領が彼に恩赦を与えてくれたことにその晩直接大統領に感謝を述べたこと、そして、不正投票で2020年選挙を盗もうとしている者たちを阻止するために「特別検察官」を任命することをトランプ大統領に提案したと書いた。ストーンはまた、ドナルド・トランプが我々の大統領である続けることを確保したいとも書いた。

最後に、ストーンは、「#StopTheSteal(#盗みを止めろ)」そして「#rogerstonedidnothingwrong(#ロジャーストーンはなにも悪いことはしていない)」とツイートした。特別委員会は、12月27日のこの同じディナーの席で、ストーンがトランプ大統領と1月6日の事件について話し合った可能性が高いということを知った。大統領は、彼が話をすることを考慮中であるとストーンに告げた。

特別委員会は、ストーンのトランプ大統領および極右過激派との関係とその他の問題点についてストーンに質問をしようした。彼の証言録取中、ストーンは彼の修正憲法第5条の権利を90回近く行使した。そして、彼はいかなる不正行為も行ってはおらず、平和な抗議運動を推奨したと公言した。(訳注:憲法修正第5条の権利とは、ここでは、何人も、刑事事件において、自己に不利な証人となることを強制されないとする、自己負罪に対する特権のことを意味している。)


6.7白人ナショナリスト:「連邦議事堂包囲は最高に素晴らしかった・・・・」

ニック・フェンテスは、「アメリカ・ファースト」として知られる白人ナショナリスト運動すなわち「グロイパーズ」を率いるオンライン工作員である。フェンテスは、トランプ大統領の「ワイルドになる」というツイートに直ちに反応した。2020年12月19日、フェンテスは、ツイッターに次のように投稿した。「私は、1月6日にトランプ大統領の集会に参加するためにワシントンDCに戻る!」フェンテスと彼の「グロイパーズ」は、連邦議会の合同会議に備えて、ワシントンDCに実際に戻った。襲撃が行われている間、フェンテスは、連邦議事堂のすぐ外側の彼の指揮所から彼に追随している支持者たちを扇動した。彼の支持者たちの何人かが襲撃に参加し、ある者は、上院の高座にあるペンス副大統領の席に着くことさえ行った。

フェンテスと「グロイパーズ」のもう一人の指導者のパトリック・ケーシーは、2017年のシャーロッツビルでの「ユナイト・ザ・ライト」ラリーというイベントでの集会後に有名になった。「グロイパーズ」は長年、白人優越主義とキリスト教ナショナリズム思想を促進しており、ユーモア、ダジャレあるいは宗教に関して彼らの間では理解されるが、一般には理解されない言葉に包み隠した発言をしばしば行った。そして、彼らが十分に保守的でないとみなす彼ら以外の右翼組織あるいは政治家に対して公然たる反対を定期的に行い、扇動した。

フェンテスは、1月6日事件につながった「盗みを止めろ」陰謀論の重要な提唱者であった。彼は、全米の州都で集会を行って2週間を費やし、「大きな嘘」を拡散し、遠回しに暴力を求める発言をライブストリーミングした。彼はまた、2020年11月と2021年1月の間に、多額の資金を調達するためにライブストリーㇺを利用した。

2020年11月9日、フェンテスは、「グロイパーズがこのクーデターを止める!」と約束した。その2日後、フェンテスは、ミシガン州議会議事堂で「盗みを止めろ」集会を主催した。彼は、群衆に対して選挙を覆すための戦術はさらに野蛮であるべきだと告げ、彼らの地元で議員をターゲットにすべきだと群衆に示唆した。11月14日には、フェンテスは、ワシントンDCにおける「MAGA行進」で彼の支持者の群衆に集会をさせ、「盗みを止めろ」陰謀論を押し付け、トランプ大統領が終身で統治を行うべきであると主張し、「トランプ大統領がさらに4年間大統領に就任する2021年1月20日まですべての州都を襲撃すべきである」と彼の支持者に熱心に勧告した。

上述のように、フェンテスは、2020年11月のジョージア州アトランタにおける「盗みを止めろ」集会では有名な人物であった。彼は、選挙陰謀論を拡げ、共和党を批判し、ホロコーストに関して冗談を言い、バイデン副大統領を正統ではないと非難した。フェンテスはまた、支持者に対して彼らの地元で政治家を脅かすべきという示唆も行った。

12月14日、フェンテスは再び、ワシントンDCにおける「盗みを止めろ」集会に彼の支持者の群衆を集め、共和党が選挙を覆すことができなかったことを理由に共和党を壊すことを主張した。他の者が「ジェリコの行進」の集会で演説をしている中で、フェンテスは、数ブロック先での「盗みを止めろ」の抗議集会を行い、マスコミの話題を呼んだ。

1月4日、フェンテスは、彼の支持者が2020年選挙を覆す取り組みを支持しなかった州議会議員を殺すことを示唆した。第2章で論じたように、トランプ大統領とその代理人たちは、州議会議員たちに対して同時に同じ圧力をかけていた。フェンテスは、彼の側には目的を達成するための「いかなる影響力」もないと、不満を述べ、あなた方と私には、州議会議員に対して何ができるのか」と尋ねた。そして、その後直ぐに付け加えた。「我々はそうすべきではないが、私はそうするなとは助言してはいない。しかし、他に何ができるのか?そうだろう?」

1月5日、「グロイパーズのもう一人の指導者であるケーシーは、ワシントンDCでの行進を彼の「テレグラム」のチャンネルで宣伝を行い、市内に入るためのロジスティックに関して繰り返し更新された情報を提供した。ケーシーはまた、「DLIVE」のライブストリームで翌日の集会に関して彼の支持者に話をした。第8章で論じられるように、「グロイパーズ」は、1月6日襲撃で明確に役割を果たした。彼らは、連邦議事内の部屋の中に彼らの旗を立てることさえした。フェンテスは、その翌日ツイートして襲撃に関して誇らしげに語った。「連邦議事堂包囲は非常に素晴らしかった。そうではなかったというつもりはない。」1月7日のもう一つのツイートで、フェンテスは書いた。「昨日、短期間であったが、体制側が支配権を取り戻す前に、アメリカ国民によって連邦議事堂が再び占拠された。」

ツイッターでの彼の自慢話にもかかわらず、フェンテスは、自己負罪に対する修正憲法第5条の特権を行使し、彼の活動の組織化に関する情報を特別委員会に対して提供することを拒否した。


(6.8「スリー・パーセンターズ」:「#連邦議会を占拠せよ」に続く。)