6.10メッセージボード「ザ・ドナルド・ウイン」:「連邦議事堂を占拠せよ」

トランプ大統領のツイート後3分以内に、メッセージボード「ザ・ドナルド・ウイン(TheDonald.win)」のあるユーザーが、「トランプがツイートしている。おやじは、1月6日にワシントンDCに集まれと書いている(Trump Tweet. Daddy Says Be In DC on Jan. 6th.)」と投稿した。 メッセージボードの管理をするモデレーターは、その投稿を12月19日から1月6日までボードの最上部にピン止めした。それは、ほぼ6,000件のコメントと24,000件以上の賛成を集めた。同サイトのユーザーの多くは、すぐに大統領のツイートを実力行使の呼びかけと解釈した。 例えば、あるユーザーは、「(トランプは)公然とあなたに暴動を起こせと告げることはできない。これが彼の言えるぎりぎりの線だ。」と書いた。同サイトの当時のオーナーであったジョディー・ウイリアムスは、ユーザーたちは選挙後ワシントンDCまで旅行することを話し合っていたものの、トランプ大統領のツイート後、「何か他のことについての発言はシャットアウトされ 、それはただただ1月6日の件になろうとしていた。」と、特別委員会に証言した。

その後の数日間、メッセージボード「ザ・ドナルド・ウイン」上でユーザーたちは、連邦議事堂の包囲と占拠、連邦議会議委によって使用される地下通路の封鎖、携行すべき武器類、そしてさらには絞首刑執行用の絞首台の設置方法についてさえも議論した。これらの議論の話題は、1月6日に発生したことに相応するものであったことは明白であった。

「ザ・ドナルド・ウイン」とその前身のサイトは、そのサイトの名前となっているトランプの最も熱心なファンのためのウェブサイトであった。トランプ大統領が選出される前であってさえ、彼のソーシャル・メディア・チームは、同サイトのモニターを行い、ユーザーたちとの交流を行っていた。2016年の夏、当時のトランプ候補者自身が、当時の「Reddit」上のフォーラムであった「ザ・ドナルド・ウイン」上での文書による質問と回答のセッションに関わっていた。790,000名以上のユーザーを持っていたこのオンラインでのコミュニティは、2020年の半ばに「Reddit」によって禁止された。しかしながら、サイトのユーザーたちは、他のオンライン上のサイトに移り、それが「ザ・ドナルド・ウイン」となった。

トランプ大統領のソーシャル・メディアの第一人者のダン・スキャビノは、このウェブサイトからコンテンツを強化させた。 2016年の大統領選挙運動中、「トランプ・タワー」の作戦指令室の中のあるチームが、「ザドナルド(TheDonald)」のサブ・レディット(訳注:Redditのウェブサイトで特定のトピックの議論を目的とするサブフォーラム)を含むソーシャル・メディアのトレンドをモニターしており、新しいトレンドの種を蒔くために最も活発なユーザーと密かに意思疎通を行っていた。」「選挙対策本部スタッフは、ツイッターと「ザドナルド(TheDonald)」のサブ・レディットをモニターし、何らかの有望なトレンドをツイートでそれらをさらに強化するかもしれないソーシャル・メディア・ディレクターのダン・スカビノに報告した。2017年に、トランプ大統領は、彼自身がCNNを攻撃しているビデオをツイートした。そのビデオは、「ザドナルド(TheDonald)」に4日前に現れたものであった。2019年、「ポリテイコ」は、スカビノが「定期的に「Reddit」をモニターしており、特に親トランプの「Trump /r/The_Donald」チャンネルに焦点を当てていた。

特別委員会は、スキャビノらに対して、どのようにトランプ大統領のソーシャル・メディア・チームが「ザドナルド(TheDonald)」のサブ・レディット と「ザ・ドナルド・ウイン」と関りを持ったのかに関して質問することを追求した。しかし、スキャビノは、当委員会の召喚状に協力することを拒否した。351

トランプ大統領の12月19日のツイート後、同サイトのユーザーが連邦議事堂ビルの単純な地図を投稿し、その建物に侵入する意図を明らかにした。「我々が連邦議事堂ビルを占拠すれば、投票は行われないだろう。」と、あるユーザーが書いた。「我々が1月6日に連邦議事堂ビルを占拠した場合、マスコミは我々を悪人と呼ぶだろう。構うものか」と、他の投稿記事には書かれていた。あるユーザーは、その目標は「トランプ大統領のさらに4年間(の大統領職)が再び認められるまで誰もその場を離れることがないように、1月6日に敵を取り囲み、連邦議事堂の周囲に防御線を築くことであるべきだ」と主張した。この同じユーザーは、どこに「連邦議事堂アクセス・トンネル」があるかを示す矢印で連邦議事堂の防御線の略図を投稿した。

1月5日、「ザ・ドナルド・ウイン」のもう一人のユーザーが、トランプ大統領支持者たちに連邦議事堂ビルを確保する準備を行うことをけしかけ、「そこにはたくさんの元軍人がいて、君たちをリードするだろう」と主張した。1月6日の連邦議事堂がターゲットであったことが多数のそれ以外の投稿で明らかにされており、ある投稿者は、選挙結果を認証した議員たちの「私人逮捕」を実行することが可能になるように「手錠と結束バンド」を携行すべきだと書いた。もう一つの投稿は、1月6日に関する最も重要な地図を強調し、「連邦議事堂とトンネルの周辺に真のラインを構築せよ」と書いた。その投稿は、施設を囲むトンネルを強調した連邦議事堂に関する詳細な図解を含めていた。

ザ・ドナルド・ウイン」での他の投稿には、連邦議事堂の外側で絞首台を構築する具体的な計画が含まれていた。「絞首台は、簡単であり、費用がかからない。それにアメリカの古い西部の伝統でもある」と、あるユーザーは2020年12月22日に書いた。1週間後、もう一人のユーザーが、次のとおり書いた。「次の水曜日に、彼らのオフィスの窓から眺めた連邦議会議員が便を濡らすよう、連邦議事堂の外に絞首台を建設しよう。」もう一人は、「1月6日に連邦議会の正面に絞首台を設置することは強力なメッセージを送ることになるだろう」と書いた。同サイトは、絞首刑執行時のひもの結び方を示す図を掲載し、あるメンバーは「裏切り者たちがその運命を知るように絞首台を据え付けるべきだ」と書いた。2021年1月5日、議事堂襲撃が始まる数時間前、あるユーザーが、絞首台の写真に「選挙不正是正キット」というタイトルを付けた投稿した。

トランプ選挙対策本部上級顧問ジェーソン・ミラーとホワイトハウス首席補佐官マーク・メドウズとの間のテキスト・メッセージは、これらの投稿の内容が大統領の側近たちの間まで伝わっていたことを示していた。ミラーは、12月30日にメドウズにテキストを送信し、「私は支持者を震え立たせた」と宣言した。そのメッセージ群には、1月6日を奨励していたミラーによる投稿に対する多くの反応の満ちた「ザ・ドナルド・ウイン」のコメントのメッセージ群へのリンクが含まれていた。そのメッセージ群の中で、あるユーザーは、すべてミラーに対する反応である「絞首台は電気を必要としていない」や「ペンスがトランプを勝利者として宣言することを彼らが止めようとした場合には、数百万人がドアを破ってなだれ込むだろう」というようなコメントをした。

トランプ大統領が「ワイルドになるだろう」という扇動的なツイートを投稿した日と同じ日である2020年12月19日、彼はまた、注目すべきビデオについてツイートした。そのショート・クリップのタイトルは、「トランプのために闘え‐アメリカを救え‐世界を救え(FIGHT FOR TRUMP!—SAVE AMERICA—SAVE THE WORLD)」であった。そのビデオは、2日前に「ザ・ドナルド・ウイン」上で示されていたと報道されていた。「ザ・ドナルド・ウイン」上での他の多くのポストと同様に、これが実際に連邦議事堂襲撃当日に繰り返されたことは極めて著しい特徴であった。1月6日のホワイトハウスの南側の「エリプス」での彼の演説の間、群衆は、「トランプのために闘え!トランプのために闘え!」とスローガンを突然唱え始めた。トランプ大統領は、参加者たちに感謝した。

1月6日の「抗議」を彼が最初に発表してからの2週間半の間に、過激派と陰謀論者は、平和な政権移行に反対する大統領が発表した前例のない抗議を実際に「ワイルド」なものにすることを企てた。その一方で、そのイベントの主催者たちやホワイトハウスのスタッフたちは、トランプ大統領の任期最後の集会の準備を行った。

(以下、「6.11 ホワイトハウスと集会主催者による1月16日の準備」に続く)