本ブログでは、米国のいくつかの州で展開されている「トランプ氏の大統領予備選挙出馬資格はく奪を目指す動き」について、今年9月9日の131回で、ネバダ州でのケースをご紹介しました。

その後、同様の訴えを受けていたコロラド州地方裁判所は、11月17日の判決で、議会襲撃事件に関して「トランプ氏は、当時(2021年)議会で行われていた大統領選の選挙人投票の集計手続きを妨害するよう(支持者らを)扇動した。それまでも過激な政治活動家らと関係を結び、政治的な暴力にも肯定的な反応を示していた。支持者らが扇動に応じて暴力に及ぶことも認識していた」と認定しました(毎日新聞11月18日)。

しかしながら、同裁判所は、憲法順守を宣誓した公職者が「合衆国に対する暴動や反乱」に関与した場合に公職就任を禁止する憲法修正14条3項の規定の適用について検討を行い、「連邦議会議員」は適用対象になると明文化されている一方、「大統領」については明確に示されていない点を指摘し、「トランプ氏には14条3項は適用されない」と結論づけ、同氏の出馬資格は否定されることはありませんでした(毎日新聞11月18日)。

この運動を進めているグループは、この判決を不服として、コロラド州最高裁判所に上訴していました。これに対して、同州最高裁判所は、12月19日の判決でコロラド州務長官に対してトランプ氏を共和党員の予備選挙候補者名簿から除外することを命じ、先月の合衆国修正憲法第14条3項は大統領職に適用されないとするデンバー地方判事の判決を逆転させました。

同州最高裁判所の判決は、先の地方判事の主要な判断を再確認しました。1月6日前のトランプの行動は反乱への関与を構成し、裁判所は、連邦議会が具体的に指定していない人物に対して第3項を強制する権限があるとしています。

ミネソタ州とニューハンプシャー州での同様の訴訟は、手続きを根拠に却下されています。ミシガン州の判事は、この問題は政治問題であり、彼が決定すべき問題ではないと、先月判決を行い、控訴裁判所は、トランプの資格をはく奪しないという決定を確認しました。原告は、ミシガン州最高裁版所に上訴しています。(ニューヨークタイムズ2023年12月19日付「Trump Is Disqualified From 2024 Ballot, Colorado Court Says in Explosive Ruling」)

以下は、本件についてのCNNジャパンの記事です。
『米コロラド州最高裁、トランプ氏を大統領選の投票用紙から除外 修正14条の「反乱者の禁止」理由に

2023.12.20 Wed posted at 08:59 JST

(CNN) 米西部コロラド州の最高裁判所は、2024年大統領選における同州の投票用紙からトランプ前大統領の名前を除外するとの判決を下した。合衆国憲法修正14条の「反乱者の禁止」を理由に候補者として適格ではないと判断した。

判決に賛成の判事は4人、反対は3人だった。

トランプ氏に連邦最高裁への上訴の猶予を与えるため、判決は来年1月4日まで確定しない。
州最高裁の判決はコロラド州にしか適用されないが、大統領選に波乱を巻き起こすことになる。
州選挙当局によると、3月5日の共和党予備選の候補者名簿を確定する法令上の期限が1月5日。本件はそれまでに解決する必要があるという。

署名のない多数意見は「トランプ前大統領は単に反乱を扇動しただけではない」「議事堂の包囲が完全に進行している時でさえ、ペンス副大統領に憲法上の義務を遂行しないように要求し続け、上院議員に投票の集計を阻止する説得をするように呼びかけることで、包囲への支持を続けた。こうした行為は反乱への明白かつ自発的、直接の参加となる」と述べた。

さらに「前述の証拠はトランプ前大統領が反乱に関与したことを立証したと断定する」とも述べ、「トランプ前大統領の数ヶ月にわたる直接かつ明白な取り組み、自身が不正と誤って位置づけるものを避けるために支持者に議事堂へ行進を強く勧める言動は、明白で、自発的であることは争いようがない」とした。』

連邦最高裁判所は、保守派6名とそれ以外の3名の判事構成であり、保守派のうちの3名はトランプ大統領の指名によるものです。連邦最高裁判所の判断によっては、2024年大統領選挙の姿がかなり大きく異なるものとなる可能性が高く、その帰趨が注目されます。