6.11 ホワイトハウスと集会主催者による1月16日の準備
トランプ大統領のツイート後の数日間、集会主催者たちは、1月5日と1月6日のワシントンDCでの約十数件に及ぶイベントに関する許可を確保した。
トランプ大統領のツイート後6時間もたっていない午前7時12分、「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト(Women for America First (WFAF))」の幹部であるシンディ・シャフィアンが、2021年1月20日のバイデン次期大統領の就任式と同じ日になるように計画されたイベントに関して「国立公園局」にEメールを送付した。シャフィンの質問は単純であった。「日付を1月6日に変えることは可能でしょうか?」であった。
「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」は、長い間トランプ大統領の支持者であった母と娘であるエイミーとカイリー・クレマーの二人によって2019年に設立された。「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」は、「盗みを止めろ」運動の重要な担い手となった。クレマー家の娘と母親は、24時間以内に365,000人ほどを集めた「盗みを止めろ」のフェースブック・グループを始めた。彼らのオンライン上での組織化は、彼らの地上での動員と並行で行われた。二人は、ワシントンDCにおけるイベントに加え、2020年11月14日と2020年12月12日にも「大きな嘘」をプロモートするためのバスツアーを組織した。
トランプ大統領の12月19日のツイート後、二人は、1月6日に焦点を合わせた。カイリー・クレマーは、ツイッター上で二人の支持を誇らしげに宣言した。「カルバリ」がやってくる。大統領!1月6日、ワシントンDCトランプ行進.com、ハッシュダグトランプのための行進、ハッシュタグ盗みを止めろ(The calvary [sic] is coming, President! JANUARY 6th | Washington, DC TrumpMarch.com #MarchForTrump #StopTheSteal)。」彼らの許可の日付が変更された後、「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」は、最終的にトランプ大統領に対してトランプ大統領が群集を連邦議事堂に誘導することとなる演説のステージを「エリプス」で提供したのであった。
クレマー親子だけがトランプ大統領のツイートにすぐ反応したのではなかった。合同会社「盗みを止めろ」の創立者のアリ・アレキサンダーは、他の組織の主催者よりも先陣を切りたがっていた。
12月19日の朝、アレキサンダーは、彼のイベント・プランナーに告げた。「誰もが我々の行動に飛び乗ろうとしているので、私は、連邦議事堂の中庭側が欲しい。連邦議事堂階段と中庭が欲しい。」アレキサンダーは、「押さえることができるところをすべて押さえて欲しい。すべてだ。」と、イベント・プランナーに告げた。アレキサンダーのチームはまさにそれを行った。 彼らは登録を行い、新しいウェブサイト「ワイルドプロテスト.ドットコム(WildProtest.com)」を開設し、そこで、「トランプ大統領はあなたが1月6日にワシントンDCに集まることを望んでいる」と書いたスローガンで1月6日のイベントを宣伝した。
それ以外の主催者も、トランプ大統領のツイートをすぐに受け入れた。自称ユダヤ教とキリスト教の融合した「ジュデオ・クリスチャン」による「エリコの行進(Jericho March )」組織の共同創立者であるアリーナ・グロースとロバート・ウェーバーは、2020年12月12日にワシントン特別区で集会を開催した。「オース・キーパーズ」の指導者のスチュアート・ローズ、フリン、ジョーンズ、アレキサンダー他は、そのイベントに登壇した。グロースとウェーバーは、トランプ大統領が初めて1月6日に言及したまさに数時間後にEメールを交換した。12月19日の朝のEメールで、ウェーバーは、「嵐の前の平和を楽しめ」と告げ、「ちなみに、トランプが1月6日に抗議を呼び掛けている。」と、述べた。
「エリコの行進」のウェブサイトは、2021年1月2日と1月6日の間の追加で行うイベントを宣伝するためにトランプ大統領の「連邦議事堂に集合しよう、ワイルドになるだろう!」という発言を利用した。ワクチン懐疑派グループ「バージニア・フリーダム・キーパーズ」の指導者のマーシャ・レザードは、「ラティノス・フォア・トランプ」の指導者ビアンカ・グラシアト1月6日にイベント開催するために協力した。これらの女性は、それぞれ1月6日の暴動の中心にいた二つの集団である「オース・キーパーズ」と「プラウド・ボーイズ」と結び付きがあった。「ラティノス・フォア・トランプ」は、同様に「Qアノン」を吹聴するバナーである「「議事堂占拠作戦」と共に彼らの1月6日のイベントを宣伝した。もう一つの保守派集団である「マムズ・フォア・アメリカ」は、1月5日のイベントの許可を確保する前にアレキサンダーと協力した。
6.12「彼はあなたに呼びかけており、あなたの助けを必要としている」
上記で論じたように、アレックス・ジョーンズは、「盗みを止めろ」運動の声の最も活発な支持者の一人であった。ジョーンズは、彼の「インフォワーズ」ショーの12月20日のエピソードの多くをトランプ大統領の「ワイルドになるだろう」というツイートに費やし、彼の視聴者たちにアメリカ共和国の運命が危機に瀕している以外の何ものでもないと告げた。「彼があなたに呼びかけている、彼はあなたの助けが必要だ。我々はあなたの助けが必要だ。」ジョーンズは、彼の視聴者に告げた。特別委員会は、大統領のツイートとジョーンズの12月20日のショーの間に、ジョーンズのスタッフが「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」のエリプスでのイベントに関する新しい許可を得たその幹部であるシンディ・シャフィアンと何度か電話をしたことを知った。両当事者がこの新しく生まれた1月6日のイベントが共に協力する機会であるかどうかを話し合ったことは明白であった。
ジョーンズの 放送はまた、「エリプス」での1月6日のイベントに関して資金の流入をもたらした。ジュリー・ファンセリは、「パブリックス」スーパーマーケットの資産に関する大富豪の相続人であり、トランプ大統領の長年の支持者である。 ファンセリは最近、ジョーンズの「インフォワーズ」というサイトの資金提供者となった。彼女は、ジョーンズの12月20日の「ショー」を聞き、その大義を支援したいと思った。
ジョーンズとトランプ大統領のツイートをめぐり継続している熱気に鼓舞され、ファンセリは、その翌日トランプ選挙対策本部に関係していた共和党の資金集め担当者のキャロライン・レンに電話をした。レンによれば、ファンセリは、ワシントンDCのその場にたくさんの人々がいるのを見たいと希望していると述べた。ファンセリはジョーンズのスタッフと話をしたが、彼らはファンセリに「エリプス」の集会を主催していたシャフィアンに連絡することを勧めた。2020年が終わりかけた数日間に、ファンセリとジョーンズは、何度か話をした。ファンセリは、可能な限り多くのトランプ支持者を招集するために数百万ドルの予算を生み出すことでレンと協力した。ファンセリの提供する資金が最大のインパクトを生み出すことを確保するため、レンは、1月6日に関して集会に参加する支持者であった主要な活動家の数人と接触した。レンは、カイリー・クレマーにEメールを送り、ジョーンズやシャフィアンとテキストを交換した。
ファンセリの目標は明白であった。彼女は、「そこにできる限り多くの人々を集めるために」3百万ドルを使いたいと思っていた。結果的に予算は、バス輸送とそのイベントをプロモートするための「ティ―・パーティ・エクスプレス」による宣伝キャンペーンに50万ドルが配分された。さらに50万ドルが、「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」とジョーンズによる組織化の取り組みの支援に使われた。
キャロライン・レンも、アリ・アレキサンダーとつながっていた。12月29日に、レンは「盗みを止めろ」運動指導者であるアレキサンダーに対して、「私はバスの利用代金を支払うことができる。私のチームに利用できる会社を探させている。したがって、どこの都市でバスを必要としているかを教えて欲しい」と、述べた。
レンのオファーは、当日の速い時間のアレキサンダーからの「我々の連合は、トランプ大統領のための「ハッシュタグ1月6日ハッシュタグ盗みを止めろ」に人々を集めるために25台の新しいバスの借り上げについて検討している。さらに多くのバスの借り上げの資金があるか、会社を持っている場合、教えて欲しい。我々な今後72時間以内のどこかで我々のバスをリストアップする。 引き下がって、待機していて欲しい。」というツイートに応じて行われた。
アレキサンダーのツイートの最後の言葉は、2020年9月29日の大統領選挙候補者のディベート中のトランプ大統領の「プラウド・ボーイズ」に対する命令を直接繰り返した。アレキサンダーの言葉の選択は適切であった。「プラウド・ボーイズ」は、既に大挙してその姿を現し、群衆が「ワイルドになる」ことを計画していた。
6.13「トランプは我々に連邦議事堂へ行くように命令するはずだ」
12月27日の夕刻、トランプ大統領は、ツイッターで来るべきイベントについて「1月6日にワシントンDCで会おう。 見逃さないように。詳細情報は今後提供される!」と宣伝した。
特別委員会は、このツイートが「エリプス」での集会のプロデュースを支援することを依頼されていたトランプ氏の元スタッフのジャステイン・カポラーレとホワイトハウスが話をした後に行われたことを知った。その同じ晩に、大統領は、息子のドナルド・トランプ・ジュニアと彼のガールフレンドであるキンバリー・ギルフォイルと夕食を共にしたが、彼女は食事中に集会主催者のキャロライン・レンと話をした。
レンはまた、そのイベントに関する彼女の野心を述べたトーキンング・ポイントをギルフォイルに送信し、「あなた方を支援するために全米から何台ものバスで人々がやってきている。それは膨大な数になるだろう。私たちはまた、1月5日の晩に関する計画の追加している」と、告げた。
ギルフォイルのレンとの電話以降、ホワイトハウスの上級スタッフとの間での一連の電話があった。このことは、ホワイトハウスのそのイベントに関する真剣な態度を明白にしている可能性が高い。
その数日以内に、ホワイトハウスは、「エリプス」での集会についてに調整により直接的な役割を果たし始めた。レンに対する12月29日のテキストにおいて、カポラーレは、大統領が予定している演説の後、「おそらく連邦議事堂に行進し、騒ぎ立てる行動の呼びかけがあるかもしれない」と書いた。これは、トランプ大統領が彼の支持者を連邦議事堂まで行進するように呼び掛けることを計画していたことを特別委員会が当初に明らかにした兆候である。
しかし、それで最後ではなかった。1月2日、集会主催者カトリナ・ピアソンが、トランプ大統領の首席補佐官のマーク・メドウズが「トランプ大統領は全員が連邦議事堂に行進することを呼び掛けようとしている」と述べたと、レンに知らせた。
ホワイトハイスの中では、大統領の意図はよく知られていた。大統領首席補佐官マーク・メドウズの補佐であったキャシディ・ハッチンソンは、彼女が12月末あるいは1月の始めにこのような趣旨の話し合いを聞いたことがあると当委員会での証言で回想した。そのような話し合いの中の一つには、メドウズとルディ―・ジュリアーニとの間での1月2日のものがある。ハッチンソンは、トランプ大統領が連邦議事堂内で生じることになっている選挙人団の集計の認証に関連してそこに群衆を送りたがっていたと理解した。ハッチンソンはまた、連邦議会内部のトランプ大統領支持の議員たちがその計画を知っていたことを思い起した。連邦下院の保守派あるいはリバタリアン議員からなる議員連盟の「ハウス・フリーダム・コーカス」のメンバーとの電話中に、選挙人団の集計結果の認証を遅らせ、それを各州に送り返すことを連邦議会に促すための一手段として人々を連邦議事堂に行くように告げるというアイデアが話し合われていた。
1月4日、「ウィメン・フォア・アメリカ・ファースト」のカイリー・クレマーは、大統領が私たちをそこ(最高裁判所/連邦議事堂)で行進させようとしているが、その計画は「我々の間だけで口外しないように」と「マイピロ―」のCEOでトランプ大統領の仲間のマイク・リンデルに告げた。
「盗みを止めろ」連合のメンバーは、トランプ大統領の意図を知っていた。 1月5日、アリ・アレキサンダーは、「エリプス、その後は連邦議事堂だ。トランプは彼の演説の終わりで我々に連邦議事堂まで行くように命令すると思われる。後でわかるだろう。」と述べた携帯電話のメールをあるジャーナリストに送信した。
(以下、6.14「ところで、私はみんなと一諸に行進すべきだ。」に続く。)