4.8 スコット・ペリー下院議員がドノヒューに電話をする

 

12月27日の電話の終わりにかけて、トランプ大統領は、ドノヒューに彼の携帯電話の番号を尋ねた。その日遅くに、ペリー下院議員が大統領の主張について圧力をかけるためにドノヒューに電話をかけてきた。ペリー下院議員は、選挙を覆す取り組みにおけるトランプ大統領の重要な連邦議会内の仲間の一人であった。ペリー下院議員は、「盗みを止めろ(Stop the Steal)」運動の初期からの支持者であり、上記のように、2020年11月5日にハリスバーグにあるペンシルバニア州議会議事堂の外側でのそれらのイベントの一つで演説を行った。ペリー下院議員はまた、2020年選挙違反を捜査するための特別検察官を任命することをトランプが命じることを要求する書簡に署名した27名の共和党下院議員の一人でもあった。同書簡は、重大な不正の証拠はなかったとバーがメディアに告げた一週間以上後の12月9日付であった。特別検察官が必要であったと考えるいかなる理由もなかった。ペリー下院議員とその他の議員は、いずれにしても特別検察官を任命すべきであると提唱した。

 

ペリー下院議員は、すくなとも10名の他の共和党連邦議会議員と共に、1月6日の選挙人団による投票に異議を申し立てる戦略を話し合うための12月21日の大統領執務室での会合に参加した。125名のその他の共和党連邦議会議員と共に、ペリー下院議員はまたペンシルバニアとその他の3州に対するテキサスの訴訟を支持した。すなわち、ペリー下院議員は、彼自身の出身州を含む4州の認証された選挙人団票を無効にしようとしたテキサスの取り組みを支持したのであった。

 

ドノヒューは、ペリー下院銀との会話中メモを取っており、これらのメモを特別委員会に提供した。12月27日にペリー下院議員がドノヒューに電話をした時、ペリー下院議員は、トランプ大統領が彼に電話するように依頼し、彼とペリー下院議が司法省は選挙に関してその仕事をしていないと思ったと説明したことをそのメモは反映していた。ペリー下院議員は、他の無関係の話題を取り上げ、「FBIは常にすべての例において正しいことをしていない」と主張した。

ペリー下院議員はまた、ジェフ・クラークについても話題にした。ペリー下院議員は、彼が好きだと言い、「クラークがこの件(不正選挙の主張を意味する)に関して何かをすることになるだろうと述べた。

 

12月27日の夕刻、ペリー下院議員は、ドノヒューに、ペンシルバニアで重大な不正投票が起こったことを主張する1組の文書をEメールで送付した。ある文書は、選挙当局者が投票された票よりも205,000票多く集計したと主張した。ペリー下院議員はまた、この同じ主張を翌日ツイッターで共有した。トランプ大統領は同じ主張を繰り返し続けた。ある時、異なったと言われた票数の違いは205,000票であり、他の時には、250,000票であった。

それはいずれも真実ではなかった。

 

ドノヒュー副司法長官代行は、ペリー下院議長のEメールを当時ペンシルバニア西部地区連邦検事であったスコット・ブラデイーに転送した。ブラディーがすぐに発見したように、実際に数字に違いはなかった。トランプ大統領の支持者は、票の合計数を525万票と報告したペンシルバニア州務長官のウエブサイト、投票された500万票だけを示した別の州選挙登録簿を比較することでその主張を思い付いた。問題は単純であった。 

ペンシルバニアの選挙サイトは更新(アップデート)されてはいなかった。4郡の総数が選挙サイト上では報告されてはいなかった。これらの票がいったん集計された後、総数は一致した。これは、単純にトランプ大統領やペリー下院議員他が主張したような不正ではなかった。

 

4.9 2020年12月28日:クラーク書簡

 

2020年12月28日、クラークは、ドノヒューとローゼンに5頁の書簡の草案を送付した。同書簡は、ジョージア州の3名の高官であるブライアン・ケンプ知事、デービッド・ラルストン州下院議長、バッチ・ミラー州上院議長代行に宛てたものであった。同書簡草案には、ローゼンとドノヒューが彼らの署名を挿入する欄が含まれていたが、二人は頑として署名することを拒否した。同書簡は、署名され、送付されていた場合には、憲法上の危機を十分に引き起こすものとなっていた可能性があった。

 

その書簡は、クラークからのEメールに添付されていたが、その中でクラークは、国家情報長官ラトクリフが議長を務める国家情報長官室(Office of the Director of National Intelligence (ODNI))による外国からの選挙干渉に関する秘密のブリーフィングに彼が参加することの許可を要求した。国家情報長官室は、投票プロセスあるいは集計に対するいかなる外国からの介入も見出すことはなかったが、クラークは、流布されていた陰謀論のいくつかを明らかに信じていた。クラークは、「ハッカーがドミニオンの投票機が中国につながっている痕跡を有するスマートサーモスタットを通じてインターネットにアクセスした証拠を持っている(パブリックドメインにおいて)」と主張した。また、「国家情報長官室はさらに秘密の証拠を所有しているかもしれない」と付け加えた。この常軌を逸した主張は、その他のトランプ政権高官や関係者によっても共有されていた。クラークは、国家情報長官室のブリーフィングを受けた後、「そのブリーフィングの中には外国による関与に関連して彼が有していた疑いを裏付けるものは何もなかったということ」をドノヒューに最終的に認めた。

 

クラークは、トランプ大統領が選挙結果を覆そうとしている場合には逆転させることが必要であったジョージアとその他のいくつかの州の当局者にその書簡を送るつもりであった。「司法省が合衆国大統領に関する2020年選挙における各種の違反を捜査しつつある」と、クラークは書いた。クラークは続けた。「司法省は、可能な限りあなた方にその捜査の進展についてお知らせします。しかし、この時点で、我々は、ジョージア州を含むいくつかの州における選挙結果に影響を与えたと思われる重大な懸念を確認しています。」

 

ジョージア州議会は臨時会議を招集すべきであると主張して、クラークは、続けた。「これらの事態に照らし、司法省は、州議会議員が追加証言を受け、新しい証拠を受け取り、合衆国憲法に基づくその義務に従ってこの事態について審議を行う特別な態勢を取れるようにジョージア州議会が臨時会を招集すべきことを推奨する」とクラークは書いた。クラークは、トランプ大統領と彼の選挙対策本部が動員した偽選挙人に言及し、二つの競合する選挙人候補者名簿があり、そのいずれも合法的なものであると主張した。「司法省は、ジョージアといくつかのその他の州において、前副大統領ジョー・バイデンを支持する選挙人候補者とドナルド・トランプを支持する別の選挙人候補者は、[2020年12月14日に]彼らの票を投票するために適切な場所に集まり、これらの2組の票がペンス副大統領によって開封されるためにワシントンDCに送付された」と、クラークは書いた。

 

その書簡は嘘であった。司法省高官であるバー、ローゼンそしてドノヒューはその反対のことを繰り返し述べていた。彼らは、選挙結果に影響を及ぼしたと思われる不正のいかなる証拠も全く見つけることはなかった。しかし、11月中旬以降、ジュリアーニが率いるトランプ選挙対策本部の法務チームは、訴訟を提起することと、トランプ大統領に関する大統領選挙人の別の候補者を任命することを争われている州の州議会に説得することの両方のデュアルトラック戦略を実行しようと試みた。しかしながら、12月後半には、デュアルトラック戦略はほとんど失敗し、いかなる州議会もトランプに関する合法的な第二の選挙人候補者名簿を連邦議会に送付しなかった。明らかにトランプ大統領と彼の選挙対策本部は、想定したことをなし得なかった。そこで、大統領と彼の周辺は、同じことを達成するために極めて時期尚早に司法省を利用しようとした。まぎれもなく、司法省からの書簡は、ジュリアーニや彼の仲間の一人からのとりとめのない要求とは異なるものである。そして、それは12月28日であり、連邦議会での1月6日の合同会議まで1週間強しか残されていなかった。トランプ大統領はより多くの時間を直ちに必要としていた。トランプ大統領と彼のチームが選挙日以降事実上州当局者たちに実行するように圧力を行使していたこととほとんど同じであったプランを展開したクラークの書簡は、まさにトランプ大統領がその時に必要としていたものであった。

 

いくつかの例が、トランプ大統領とルディ―・ジュリアーニによる11月と12月における選挙を覆そうとしたアプローチとクラ―がこの書簡の中で提起したこととの類似性を明らかにしている。第一に、同書簡は、ジョージア州議会が選挙における不正の主張に焦点を当てるために臨時会を招集させようとした。ジュリアーニと彼のチームは、州議会議員たちに電話をかけており、公式そして非公式の州議会委員会の双方において州議会が臨時会を招集すべきと告げていた。彼らはまた、そのような臨時会は知事によって招集されることを要件としている州法における制限にもかかわらず、州議会が彼ら自身で臨時会を招集する権限があると主張していた。クラークは、彼の書簡の草案に同じ主張を盛り込んでいた。

 

さらに、書簡草案は、ジョージア州議会が連邦議会とペンス副大統領に偽の選挙人団票を送付した代わりの(偽の)選挙人団選挙人の選出を検討することを推奨した。トランプ大統領が敗北した州でトランプ選挙人を州議会に選ばせることは、選挙直後におけるトランプチームの早くからの目標の一つであったが、それはうまくいかなかった。12月14日前にいかなる州も州議会自身で選挙人を任命することがなかった時に、トランプ選挙対策本部は、いずれにしても争いとなっていた州で選挙人が集会を持ち、偽選挙人団票を投票する手配を行っていた。この書簡は、その最上部に司法省の紋章があり、これらの争われていた州のそれぞれにおいてバイデン前副大統領の勝利が認定されていたにもかかわらず、トランプ大統領と彼のチームが州高官に対して連邦議会による合同会議中の審議のために競合する選挙人団票を連邦議会に送付するように圧力を行使することを可能にさせるもう一つの方法であった。

 

クラークの書簡草案における要請とトランプ大統領と彼のチームのほぼ2カ月間にわたり州当局者に対して行われた要請の類似性にもかかわらず、クラークが彼の行動をトランプ選挙対策本部とその外部アドバイザーたちとの間で直接に調整した程度は、不明である。クラークは、これらやその他のトピックスに関する特別委員会の質問に対する回答を回避するために、彼の憲法修正第5条の権利(訳注:「何人も、刑事事件において、自己に不利な証人となることを強制されない」という条項によって容疑者を自己負罪から保護する権利)とその他の特権を主張した。ジュリアーニが特別委員会の証言録取中にクラークのような書簡の発行について司法省と話をしたことを記憶しているかについて質問されたとき、ジュリアーニは、それについて回答することはトランプ大統領との弁護士・顧客間の秘匿特権に関わるとして回答することを拒否した。しかしながら、ジュリアーニは、クラークが司法省において選挙関連の責任を付与されることを提言したことを記憶しているかどうかを質問されたときには、「私は、司法省の評判に何が起こるかを気にすることのない人物を司法省内で責任者に据えるべきだ、なぜなら同省内はその評価を気にする人物ばかりだからだと述べたことをよく記憶している」と述べた。そして委員会の調査はまた、クラークとジョン・イーストマンがこの間ずっと連絡を取り合っていたことを明らかにした。

 

イーストマンと彼の周囲で他の人物たちに協力した一人に、トランプ政権の最後となる数週間である12月半ばにクラークと共に働くように任命されたケン・クルコースキーという名の弁護士がいた。クルコースキーは、司法省の民事局でクラークの下で上級弁護士として勤務するトランプ政権の政治任用職員であった。1年以上行政管理予算局(Office and Management and Budget (OMB))の弁護士として勤務していた。選挙日以降トランプ選挙対策本部の弁護士として志願した後、ホワイトハウスの大統領人事オフィスが彼をすぐに欲しがったことから、政権の人事スタッフが彼の任命を速め、クルコースキーだけが司法省に加わった。

 

12月28日の朝、クラークは、ジョージア州への書簡の草案の作成をクルコースキーに依頼した。クラークは、クルコースキーに書簡の実質的な重要ポイントを書き取らせ、正確に何を盛り込むべきかを彼に告げた。進み具合についての情報をクラークにアップデートするためのその日の数回の会議の後、クルコースキーは彼の作成した書簡草案をクラークに渡した。クラークは、それを上記のように、ローゼン司法長官代行とドノヒュー副司法長官代行に送付した。

 

ドノヒューは、クラークのEメールにすぐに反応し、「私がこの書簡あるいはほんの少しでもこれに似たようなものに署名することはない」と述べた。クラークが明記したプランは、「可能性のある範囲内にさえなかった。」ドノヒューは、彼らがクラークの書簡を送った場合、それは、「司法省が深刻な措置を取ることになり、それは我が国における憲法的、政治的および社会的な事態をさらに複雑にする影響をもたらすことになるだろう」と警告した。選挙に関するトランプ大統領とクラークの突飛な主張とは異なり、ドノヒューは、司法省の継続している捜査が「大統領選挙の結果に単純に影響を及ぼすことのないほどの機微の小さな事案」に関連していたことを強調した。クラークがその反対のことを主張したことは根拠がなかった。

 

ドノヒューとローゼンは、12月28日の彼らのクラークとの「激しく対立した」会議において書簡草案に対する二人の強力な反対を再確認した。「君たちが行いつつあることは、司法省が大統領選挙の結果に介入していることに他ならない」と、ドノヒューは、クラークを戒めたが、クラークは、「この選挙には多くの人々が介入していると思う」と、憮然としてこれに応じた。

 

ローゼンとドノヒューに尋問され、クラークは、大統領執務室内でトランプ大統領と会ったことも明らかにした。ドノヒューは、「一体全体、なぜ我々は合衆国大統領と連邦議会議員から君の名前を聞くことになっているのか」を知りたいと要求した。クラークは、彼の上司の許可や上司に知らせることなく大統領に会うことが明らかなホワイトハウスの接触方針違反であることを指摘されたとき、クラークは、「私の行動は政策であり、方針以上にはるかに多くのことがこれにかかっています」と反論した。実際のところ、この接触方針は、トランプ大統領が行おうとしているように、政治家が司法省の行う犯罪捜査や法律行為に影響を及ぼそうとする、まさにこのような状況のために意図されたものであった。

 

その後の数日間、クラークは証人に電話をかけ、国家情報長官室(ODNI)からのブリーフィングを受け、彼自身の調査を続けた。ドノヒュー副司法長官代行は、クラークが「外国からの介入」がなかったことを知った後であっても彼の取り組みを中止しなかったことを知り、「衝撃を受けた。」事実に従うことなく、クラークは「さらにその取り組みを強化した。」1月2日のフォローアップのミーティング中、クラークは彼がODNIのブリーフィングを受けたことを認めた。そして、外国からの関与に関する彼の疑いを裏付けるものはそのブリーフィングになかったことを認めた。しかし、それにもかかわらず、クラークは、我々が既に大統領から聞いていた言説や、その他インターネットやメディアに出回っていた言説をぶちまけ、「司法省は行動する必要があり、これらの書簡を送る必要がある」と主張し続けた。

 

(「4.10 12月29日の会議」に続く)