4月の夜、枕元には常にこの小説がありました。

普通、本て夢中になると次々とページ捲っちゃうじゃないですか。特にミステリー要素が強いものは。

しかしこの本に関しては全く逆のことを思いました。

ずっと終わらなければいいのになあ、と思いながら読んでいました。

これは本というより高くて美味しいお酒に似てますね。呑まずにはいられないけど呑むのが惜しいあの気持ち。

毎日少しずつ読みながら温かい気持ちで眠りに就きました。

かなり短い短編が幾つも綴られているこの本ならではの愉しみかたです。

200ページほどの一冊ですが一気に読んでしまうのは勿体ないです。

舞台は今から100年以上前の日本(おそらく滋賀?)。当然のように河童やら親友の幽霊なども登場してきますが、文章のタッチがそれを温かく描いており、彼らが存在すべきゆとりを作っています。

現代社会が失ったゆとりにこそ彼ら(リアルなファンタジー)の居場所があったことを再確認させてくれるような文章です。

また、森見登美彦さんが好きな方ならば文章のみならず主人公の雰囲気にも惹かれするのではないでしょうか。

大人になって読むと更にひきこまれるファンタジーであります。

個人的に大当たりの一冊でした。

手を出しやすい一冊でもありますので気になった方は是非ご一読下さい。



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