有希「どういう感じがベストなんかね? 学校って」
浩介「知らんよ。てかいろんなガキいるし親いるんだから問題起こんねぇわけねーし」
有希「まぁね。大人の社会だってそうだよね」
浩介「嫌なら行かなきゃいいってその程度に思っときゃいいんじゃん? 俺むかしそんなこと言ったな」
有希「だっけ?」
浩介「いや有希にじゃなくて、親戚とかに、みんなで集まった時。あれじいさんの法事だったかな。佳代からするとひいじいさんな。まだ佳代が生まれる前」
佳代「へぇ」
浩介「ガキが行きたくねってんなら別に行かせないって言ったら、非難ゴウゴウ、とんでもねってみんなに言われて。俺の親父にも従兄にも、それこそ佳代のママもいたな」
佳代「ふーん(目を伏せる)」
浩介「でも今になってやっとその感じになってんじゃん。ムリクリ行かすことねって。そんなことねぇか。いまだいじめで自殺とかあるな」
有希「あるね」
浩介「死ぬくらいなら行かなきゃいい、逃げりゃいいんよ。いや思いようによっちゃ逃げでもなんでもないじゃん。こんだけみんなの顔色窺う日本でさ、それでも行きたくねってよっぽど気合いいるよ。逆に骨あるって思わね?」
有希「うーん、人によるかな」