●馬場家・茶の間(時間経過)
有希「(紙袋から水着を出して掲げ)ジャーン、佳代の水着」
浩介「(佳代とゲームをしていて)あ?」
有希「さらにジャーン(もう1枚出して)私の水着」
浩介「買ったの?」
有希「今日ね。見たいっしょふたりが着てんの」
浩介「なに企んでる」
有希「だから今のうち海にさ。夏休み入ったら混んじゃうじゃんどこもそこも」
浩介「泊まりがけ?」
有希「行こうよ車で房総あたり」
浩介「大学生はもう夏休み入ってんじゃん」
有希「それでもまだすいてるって絶対」
浩介「小鉄いるじゃん」
有希「連れてけばいいよ。今はペット可のホテルいっぱいあるし」
浩介「そんな都合よくあっか?」
有希「あるある。ホテルじゃなくてもペンションとか。見つけたらいい? 申し込んでOK?」
浩介「2泊までな」
有希「よっしゃ。佳代パソコン。持ってきて探して」
佳代「うん」
●夜道
佳代が小鉄を連れて散歩。浩介と有希もいる。有希を自宅近くまで送ってきたところ。
有希「じゃあおやすみ」
浩介「ああ、おやすみ」
佳代「おやすみなさい」
有希「(佳代に)早く寝てね。明日また早いから」
佳代「うん」
有希「バイバイ(自宅へ)」
佳代「(手を振り返す)」
浩介「おー」
少し見送って浩介と佳代は戻っていく。
N「叔父さんはエッセイを書いて暮らしてる。最初は小説だったけど今はエッセイ。小説が売れなかったわけじゃないらしいけど。理由を聞いたら」
●馬場家・書斎(朝)
浩介「(ノートパソコンを前に手をとめ)うーん(真剣に考える)ま、飽きちゃったんだな」
N「有希さんは働いてないらしい」
●お台場のレストラン
有希「プーよプー。この前まで派遣で働いてたけど体壊して。弱いの私。療養期間に貯金なくなって、よくなったら働いてまた病気になって、その繰り返し。もういいからしばらく遊んでろって浩ちゃんに言われて。お小遣いもらって暮らしてる」