九電工に所属していた久保田和真さんが10月31日付で退部されたことが発表され、
今後は社業に専念するとのことで、事実上の現役引退となりました。
熊本・九州学院高時代、そして青山学院大時代と各種駅伝で華々しい活躍を繰り広げた久保田さんでありましたが、
九電工に入社後は故障に悩まされたこともあって、4年半の実業団生活で駅伝への出場は一度も叶わないままとなりました。
青学大卒業時に一部週刊誌を賑わせたことが色々と取り沙汰されていましたが、
こうして4年以上もの期間に渡って選手として雇用を続け、今後も一般社員として受け入れる九電工さんの対応を見ましても、
法律的にはもちろん、社会的にもその問題は解決されたものと判断できますので、
外野の人間がもうあれやこれやと言うことではないかと思います。
しかし、今年に入っても春の唐津10マイルや、夏以降のトラックレースに出場を続けていたものの、
トレードマークであるサングラスをかけずにレースに臨んでいましたので、
もしや引退前の顔見せ的な意味合いで出場されているのではないかと、その時が来るのを覚悟はしていたのであります。
故障をするのも能力の一つでありますので、もし故障がなければとタラレバを言うのは陳腐なことでありますが、
無事であればニューイヤー駅伝での活躍はもちろん、距離が長いと思われるフルマラソンにおいても、
厚底シューズの恩恵を受けられる現代ならば42.195kmにも対応して、もしかするとMGCでも活躍していたのではないかと夢を見たりしてしまうのです。
久保田さんと言えば箱根駅伝での活躍が多くの人の記憶に残っているところですが、
私は都道府県対抗駅伝での活躍が忘れられないのであります。
九州学院高3年時に出場した大会では5区で、
青山学院大3年時に出場した大会では3区で、
それぞれ20位くらいの順位から一気にトップに躍り出る凄まじい走りで、
いまだ成し遂げていない熊本県男子の初優勝の夢も一瞬見させて頂いたものであります。
駅伝では服部勇馬選手や設楽悠太選手を圧倒した走りを見ても、日本でも屈指の駅伝男であったことは疑う余地はありません。
まあしかし、久保田さんもまだ27歳。
新谷仁美選手のように、一時期の会社員生活を経てまた現役復帰してくれないか、
彼のような天才肌タイプは復帰後、短期間で能力を取り戻せるのではないか、そんな夢をこれからは見させてもらおうかと思います。