『妄想の裸』柔らかな感触世界が僕の想像の中だけに凝縮されるはじめて触れた彼女の弱さ今この時を、砂の彫刻で凍りつけて触覚の眼で輪郭をなぞる小さな痙攣と微かな囁き妄想は現実の儚さの前に息絶える…薄明かりと想像の中だけで戯れられる完璧な裸…崩れおちた夢のなかで、虚しく影を残す、希望の放射線悲しみにあえぎながら想像の霧を追い続ける僕だけに許された執行猶予…蛍光灯の光を受けて現実に引き戻される裸…最後の情熱を燃えつかせる、悲しみに似た衝動…誰も見えない霧に溶けていく裸…