我が妹[1] | クドのわふわふ>ω</ブログ

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作詞や作詩、たまに小説書いたり論文書いたりしてます

俺には妹が居る。
中学生の妹で、極度のブラコンであるのは火を見るよりも明らかで、中学生にもなって、未だに俺におにぃ~ちゃぁ~んと抱き着いて来るのである。
普通、この年頃だと、兄貴や親父と言う男性近親者の存在を菌扱いする筈だ。
いや、親父には非常に厳しい。
一緒に下着を洗濯しよう物なら、烈火の如く怒るのだ。
見ている俺や母さんが宥めないと、親父が非常に可哀想なぐらいに怒る。
しかし、俺の下着と一緒に洗うと、何故か、頬を赤らめて、母にプリプリ怒るのだ。
そんな様子を見て親父は何も言わずに、俺を非難がましい目で見つめてくる。
俺のせいじゃないだろうが、親父の気持ちも分からんでもない。
まぁ、その程度なら問題ない。
だが、我が妹の行動はその程度に留まらず、暇を見ては俺の部屋に入り浸っている。
夜寝るまで、俺と一緒にずっと居るので、おちおちオナニーの一つも出来ない。
部屋に鍵が掛けれるが、部屋のカギは外側からコイン一つで開けれる為に、鍵を掛けても意味が無いのだ。
本来はそこで入るのを躊躇うのだが、妹は躊躇無く、入って来て、不機嫌になり、俺のベッドに潜り込んでいじける始末なのだ。
また、妹のブラコンは妹と余程仲がいい友人(今の所俺は1人しか知らない)しか知らないらしく、時々、学校の友人を家に連れて来る所に俺が遭遇すると、部屋に入って出て来ないでと怒った用に言うのだ。
そして、友人が帰宅すると、俺の部屋にすっ飛んで来て泣きながら謝ると言う、よく分からない性格をしている。
まぁ、俺も分からんでも無い為に、慰めてやりながら、その晩は一緒に寝ると言う凄くメンドクサイ妹である。
そして、そんな妹と俺の関係が大きく揺らぐ事態が起きたのは、妹が中学2年生、俺が高校3年生になった時に起ったのだった。
俺の通っている高校は私立の小中高大と一貫で、余程のバカじゃない限りは進級できるので、俺も今の成績を保ってそのまま大学に行くのだ。
妹も俺と同じ学校に居るが、学校の敷地が広すぎる事と、校舎が違う事も有り、中々出会わない。
まぁ、運悪く?出会っても向こうは他人の振りモードに入って、帰って来てからがめんどくさいのだ。
そして、そんなメンドクサイ事態が進級した初日に起ったのだ。
始業式を終えた俺は同級生と共に教室に向かうべく大講堂(総勢6000人入るらしく、全校生徒合わせて5000人の我が学校でも小中高一斉に始業式をしても問題ないのだ)からの廊下を歩いていると、偶然、俺と同じ様に同級生を連れて教室に向かう妹に出会ったのだ。
妹は俺と会うや否や行き成り、物凄い形相で俺を睨み付け(親父に見せる時と同じぐらいの形相だった)、最悪と呟き去って行ったのだ。
同級生はお前の妹可愛いよな~と言い、俺はそれを普遍的な兄の持つ感情を交えて答えて置いた。
たしかに、妹は家族の誰にも似ていない。
目はぱっちりとしていて、鼻はすっきりとし、唇もそこまで厚くない。
肌も白く、背は低いが手足が長い為にスラリとしている。
顔も良く、読者モデルと言うのだろうか?
その契約もしていて、母親も近所に自慢していた。
そう考えれば美人なのだろう。
まぁ、ぶっちゃけ、妹と言う事を考えれば、可笑しな気も起らず、妹が幾らすり寄って来ようが、マイサムが反応する事は無い。
厳密に言えばあるが、その後激しく自己嫌悪に陥るので問題ないのだ。
なので、日常生活(妹の過剰スキンシップも含めて)妹に反応する事はアンマリ無いのだ。
しかし、今日は無視するだけに留まらず一言「最悪」と呟いていた。
これは帰ったら俺に土下座せん勢いで謝るだろう。
なので、このまま直帰すると鬱陶しそうなので、俺は同級生と共に時間を潰す事にした。
母親には昼飯は同級生と共に外食するとメールし、同級生と共にゲーセンとハンバーショップ、そして、同級生宅と梯子した。
始業式の日は午前中の、しかも早い時間に終わるので万々歳である。
そして、家に帰る頃には日はとっぷり暮れていた。
春とは言え、まだ日が沈むのは早い。
夏にはもう7時なのに太陽が上がってるぜなんて思っていたが、冬に成るとまだ5時なのに真っ暗じゃないか、何て事を言っていた。
やれやれ、空を見上げて感慨に浸るなんて、俺はまだそんな年を取った覚えはないぜ?
鍵を開けて中に入ると、玄関には妹が居た。
体育座りで、膝に顎を乗せボーっと一点を見詰めていたのだ。

「うぉ!?」
「あ、お兄ちゃん!!」
「お、おう・・
何やってんだ?」
「お兄ちゃん待ってたの!
あの、えっと・・その・・」

妹はボロボロと涙を零しながら必死に言葉を探すが、何を言って良いのか分からないのか、何を言いたいのか纏まって居ないのかパタパタとその場で足踏みするだけだった。

「あ~・・・
昼間の事か?
だったら、気にするなよ。
大丈夫だから」

ボロボロと泣いている妹の頭を優しく撫でてやると、ウェ~ンと俺に抱き着いて泣き出した。
やれやれ。
メンドクサイのが嫌で午後は外に出てたのに、どうしてこうなった・・・
だが、めんどくさいと言う理由でこの泣いている妹をほっとける程俺は冷血漢じゃない。
なので、俺は妹の頭を優しく撫でてやるしかないのだ。
此奴が実の彼女だったらどれ程良いだろうか、と考えた事はしばしばあった。
何と言うか、守ってやりたくなる存在で、尚且つ、甘えて貰いたいと言うのだろうか?
本当に、コイツが妹では無く、彼女だったら良かったのに。
最近の中学生は発育が良いと言われている。
確かに、俺のクラスメートにも、妹ぐらいの背格好の女子は居るし、男子でもいる。
中学生にしては大人びているので、きっと、彼女だと言っても通じるだろう。

「・・・ごめんね、お兄ちゃん」
「ああ、構わねーよ。
それより、御袋と親父は?」

玄関に親父が通勤に使っている革靴が置いてあり、10分ほど玄関に居るのに母親がやって来ない。

「なんかね、親戚のおじさんが死んだとかで二人そろってお通夜に行ったよ。
日曜日には帰って来るって」

ちなみに、今日は金曜日である。
学校と言う存在は何故か月曜日に始業式をやらずに、金曜日にやりやがるのだ。
アホかと思うが、学校の方針には逆らえるほどの権限を持っている訳でも無いので、仕方なく金曜日に登校するのだ。
「日曜日には帰って来るって・・・
その間の俺達の飯は?」
「お金貰ったよ?」
「それで何か買って食べろって事か?」
「うん。
私、ピザ食べたい」

幾ら貰ったんだ?
妹が差出す封筒を開けると1万円がぞんざいに突っ込んであった。
よっぽど急な話だったんだろう。

「わかったよ。
お前が好きなピザ頼めよ」
「え~
お兄ちゃんが好きなので良いよ」
「遠慮するなって」
「ううん。
私は、お兄ちゃんが好きな物が好きなの」

妹はそう言うと、俺に抱き着いて来る。
やれやれ、今度は甘えん坊モードか。

「分かったよ。
んじゃ、このモリモリ肉乗せピザな」
「ん、わかった」

やれやれ、制服に付いた鼻水どうしようかね。
ソファーに腰掛、やれやれとクリーニング仕立ての制服を眺めていると、妹が電話片手に俺の膝の上に座る。
しかも、チョコンとではなく、深々と座ったために、俺が立ち上がれないのだ。
背中を俺の胸に預け、ポチポチとピザ屋に電話掛け始める。
制服から部屋着に着替えたいんですが・・・
妹はその柔らかな、それで居て引き締まった尻を俺の愚息に押し付けている。
下はスパッツ、上はTシャツだ。
目を凝らすと、彼奴、下着を付けておらぬ。
具体的に言えば、ブラジャーとショーツだ。
スパッツは下にショーツを穿くと下着の線が出るらしい。
そっち系の同級生が言っていた。
上は・・・
まぁ、有っても無くても変わらない程度の控えめな胸なので要らないのだろう。
髪は肩より少し長い程で、それを左右に分けて結ぶ、ツインテールにしている。
ちなみに、このツインテールはツーテールと呼ばれ種類にはツーサイドアップ・ピッグテールとかピッグテールとか呼ばれる物もあるらしいが、よく分からないので、ツインテールとしておく。
電話に向かって話す妹の頭は、テールを揺らして小さく何度か揺れる。
頭のつむじから、まっすぐと一本に分かれた生え際の線はうなじまでまで伸びていた。
小さく揺れる頭を見ていると、無性に撫でたくなってきた。
そっと手を伸ばして、撫でてやると、ビクリと震え、振り返った。
そして、上目使いで俺を見上げる。
不覚にもドキリとしてしまった。
何ドキリとしてんだよ、俺・・・
相手は妹だぞ。
そして、電話を脇に置き、俺に振り返った。
電話は子機なので充電台に置いて来いよ・・・

「お兄ちゃん」
「何だ?」
「好き」

妹は振り返り、俺に抱き着いて来た。

「ありがとよ。
俺もお前が好きだぞ」

頭をポンポンと叩いてやる。

「それより退いてくれ。
家の中まで学生服では居たくないんだ」
「・・・・バカ」

何故か罵られた。
妹は俺から降りて、子機片手にリビングを出て行った。
今一妹のしたい事が分からん。
女心と言う物を生憎持ち合わせていないので、俺は仕方なく鼻水付きの制服片手に二階の自室に向かうのだった。
<続>