趣味で能面打って20年。
今はカルチャーセンターで教えています能面パパです。

今や中止にするか、開催するかで迷いに迷い、苦渋の決断を『しかたない』と受け入れるしかない人がたくさんいるこの国。
能面パパのカルチャーセンターも全講座中止。
せっかく、受講者さんの木材が届いたばかりなのに。
安全のためとはいえ、ここにも『しかたない』が。

それにしても、首相が大規模なイベントは自粛してと原稿読んでたのに、その子分、じゃなかった補佐官がホテルの宴会場で立食パーティー。
ぐーだぐーだと言い訳してはりましたが、親分が『大規模なイベントは自粛して』って言ってるんだから自粛やろ、筋として。

キャンセル料かかる?
当たり前じゃ。

ドームから小さいライブハウスまでステージパフォーマンスを中止した人は莫大な損金と機会を捨てはったんや。
地域の習い事も大事を取って中止にしとるんじゃい。
そら、何が何でも横並びが良いわけじゃない。
非難覚悟で決行しはったところもある。
でも政権が責任もって中止要請してるんだから立場上、中止すべきやったんちゃうの。

うう、いつまで経っても本来の能面に行けん。
なんか、このごろひとくさりグチりたおして本編に行くのがパターン化してきました。

さ、気分を変えて。
いま、作成中の様子を紹介いたします。



これは「近江女」の型紙の一部。
細かくパーツを分けて、木材にあてながら寸法を取って、刀で削っていきます。


『女面は鼻の形を作るのが難しい』by能面パパ。
目元の下をちょっと上げるのも神経使うんだと。
あまり露骨にくっきりして、今風の涙袋みたいにぷっくりしてしまうと『近江女』でなくなるし、加減の難しい作業やねえ。

『近江女』は美貌だけど、執心のキツイ女。
使われる作品のひとつに『道成寺』が挙げられます。
歌舞伎舞踊の最高峰と言われる『道成寺』の元ネタですね。

刀で削ったあとは胡粉を塗って白くします。

いま胡粉で白といえばこれ↓。


これは胡粉を塗った『小面』。
鉛筆で線が入っているのが見えるでしょうか。
能面パパのお師匠さまのダメ出しです。
目元と鼻に集中しとります。

カルチャーセンターで教え役をさせてもらっても、それはそれ。
いま、なんでもかんでも「~させていただいている」ってな言い方が氾濫してて、そこまで謙譲せんでいいパターンがこれまた氾濫してますが、能面パパが受講者さんに対応する限りにおいては全て「させていただく」です。
まだまだ能面パパも道半ば。
いや3分の1以下です←相変わらずどこからのスタンス。


修正した後。
怖い。ライトの加減で不気味すぎる。
胡粉がちょっとムラになっているのは紙ヤスリをかけたからです。

これから胡粉をちゃんとかけてから髪を描き、白く塗っていきます。

『近江女』と『小面』、女面ふたつ。
出来上がりはいつかな。
そして欲しいと思う人は出るか?

ご覧くださいましてありがとうございます。