ストーリーで学ぶ地球環境問題【大好きな地球を大切に】第17日-台風が強いまま上陸する! | ひとも地球もサステナブル!

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★ストーリーで学ぶ地球環境問題


☆☆大好きな地球を大切に☆☆



【第17日】:

第2章 
地球温暖化はもう始まっている


台風が強いまま上陸する!

「地球温暖化で気温が高くなるだけ
かと思ったら、気温が下がることも
あるだなんて、ぜんぜん知らなかった」

尚子さんがため息をつきました。


「さっき説明したように、地球温暖化は
一方的に気温が上昇するんじゃなくて、
気温が高くなったり低くなったりしながら、
そしてそんな現象が極端化しながら、
地球の平均気温が上昇していくことが
特徴なんだ。

確かに、高い気温の方が低い気温
よりも多くなることは予想できるけどね。

例えば日本海の水温がもっと上がると、
何ヶ月も大雪が降り続くことがあるかも
知れないね。

気象現象はいろんな原因が複雑に
からみ合っているから、必ずそうなる
とは言えないけどね。

でも、ここしばらくは『地球温暖化が
進めば進むほど極端な冷夏になる
こともある』と考えていた方がいい

だろうね」


「気温がそんなだったら、天気もすごく
変わるんでしょうね。

先生、台風はどうなるんでしょうか?」

一郎くんは実は台風が怖くてたまらない
のです。

小さい頃から台風でたくさんの人が
死んだり、大きな舟が沈没するのを
見てきたからです。


「私も、台風こわ~い!」

尚子さんも台風のものすごいパワーを
思い出しているようです。


「わたしも台風は恐いよ。
でも南極にはブリザードという猛烈な
吹雪があって、これもすごい迫力だよ」


「先生、台風とブリザードとは違うの?」

尚子さんがたずねました。


「どちらもすごい嵐という点では一緒
だけど、生まれ方が違うんだ。

ブリザードは南極のものだが、台風は
熱帯地方で生まれる
んだよ。

それで本当の名前は熱帯低気圧
言うんだ。


日本やフィリピン、アジア大陸東部に
やってくる熱帯低気圧を台風、カリブ
海や太平洋の東部ではハリケーン
インド洋ではサイクロン
と呼ばれている。

その熱帯低気圧が温暖化によって
巨大化する
のではないか、と予想
されているんだ。

温暖化が進むことで海面の温度が
高くなり、熱帯低気圧にエネルギーが
どんどん補給される
からね。

ほら、2005年にアメリカ南部の
沿岸部を襲ったハリケーンは、
海水温度が高いために最も強い
状態のまま上陸して、大変な被害を
もたらしたよね」


カトリーナだったっけ? 
すごいハリケーンだったね。

ハリケーンと同じように台風が巨大に
なったら被害も大きくなるかも知れ
ないんだね」

尚子さんが心配そうに言いました。

 
【2005年8月31日、水没したニューオリンズ市】
 


「そうなんだ。たとえば日本の沿岸
など、比較的緯度が高いところで
水温が高くなるので、台風の勢力が
非常に強いまま沿岸地帯に上陸する
可能性が強くなる
と考えられるね。

たとえば今の台風は、はるか南方の
海上では猛烈に発達していたとしても、
上陸する頃にはかなり勢力が衰えて
いるだろう。

これは、日本に近づくにつれて海水
温度が低くなって、エネルギーの
補給が少なくなるからなんだ。

しかし温暖化が進めば、日本付近に
来てもどんどんエネルギーが補給
されるので、猛烈な勢力のまま上陸
する可能性が強くなる
んだ。

図を見ると、最近は海水温度が上昇
しているのが分かるだろう。

数値は、この100年当たりの水温
上昇を示しているんだよ」


 


「温暖化で海面が上昇している上に、
台風が巨大になって、勢力が衰えない
としたら海の近くに住んでいる人たちは
大変なことになるね」

一郎くんがドキドキしながら言いました。



次回に続きます。