「見てください、こんなに綺麗になったでしょ?」
臭いにやられて
ボーッとする意識の中
御葬家に話しかけられて
ハッとする
目の前には
生前の姿が想像出来ないほど
変色した故人の姿があった
「みんなでしっかりお祈りしたから
綺麗なままなんですよ」
まだ夏の日差しも厳しい前日、私はいつも通り
何事もなく納棺を進めていた
いつも通りご挨拶をして
いつも通り湯灌をして
いつも通りお着替えをする
ただ今回は少し日数が経っていて
すでに腐敗による変化がかなり進んでいたので
ドライアイスを多めに使うこと
消臭剤を使うことを提案した時だった
御葬家の目の色が変わった
「うちの宗教はお祈りしておけば
死後の変化は起こらないんです」
言葉を失った
私も当時まだ1〜2年目のペーペーだったので
初めてのことだった
「それでしたら、お化粧で少し変色のカバーを させていただ、、、」
「結構です、何も変化していないので!」
これは参った
おそらく明日には完全に顔色が変わってしまう
きっと葬儀に来た方から葬儀屋にクレームが入り
私が怒られてしまう
サラリーマンとしてそれだけは避けなければ
「それでしたら、念のため明日の朝に
お顔を確認させて頂きます。
何か気になる点がございましたら
その時にお直し致しますので
お申し付けください」
これで通夜に来た方から変色を指摘されて
冷静になった御葬家が
明日の朝には化粧をさせてくれるはず、、
そして、、、
文頭に繋がる
どこの宗教とはいいません
宗教を信じること自体
良い事だと思います
ただ万能ではありません
死後のことについても
変化が一切ない
硬直が起こらない
色々言ってる宗教もあると思いますが
死後の状況によっては
変化は起こりうることです
それだけは理解して状況に合わせた
対応をさせていただけたら
より綺麗な状態、生前に近い状態で
故人様を送ることができるのかな
と思います
もちろん下手に触ってほしくないという考えも
理解できますので
あくまで個人の主観ですが
ちなみに御葬家も葬儀に来られた方も
バチバチの宗教家らしく
綺麗になった
の一点張りで
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