帰宅後、一通りの連絡を終え
次にぶつかった壁は
家族の部屋割りでした。
仁は陽性やから
わたしが見るとして
俊は、いまの時点では陰性。
そやけどすでに
感染している可能性もある。
両親にお願いしていいんやろか。
両親が感染するリスクを
減らすためには
まだ陰性の俊も
わたしが見た方がいいんやろか
基礎疾患のある人は
重症化しやすいって言ってたし
絶対あかん。
でも感染せずに済む俊を
リスクの高い部屋にいれるとか
考えただけで胸が苦しくなる。
あー早く保健所の人に相談したい。
でもきっと
保健所の業務がひっ迫してるから
忙しくて
みんな連絡を心待ちにしてるやろし
あかんやろな・・
襖越しに
両親と相談してみたところ
まず仁の体調をめっちゃ心配して
くれて、
それからわたしのことを
気にかけてくれました。
俊は絶対に両親と一緒に
いさせるから！と
強く言われて
泣きそうになりました。
正解がわからんことやから
パンクしそうになったけど
甘えさせてくれる両親がいて
ほんまにありがたい。
さて、
わたしはどうするか。
施設で学んだ感染対策を
家で実践することになる。
準備しておいた備蓄の
食料や水分、
トイレットペーパー、ティッシュ
ウエットティッシュ
消毒薬、ホッカイロ
ゴミ袋に懐中電灯
必要なものを選んで取り出しておく。
そういえば
ご飯の準備は
できんな
いつわたしが感染するか
すでにしてるかわからんし
みんなとの接触を避けるためにも
いまは動かん方がいいやろし
母さんが
「任せてな！」と言ってくれて
感謝でいっぱいだわ
俊がたびたび
部屋に入りたくて
襖の前から声をかけてくる。
いますぐぎゅっとしてあげたいけど
あかん
後にも先にも
コロナ騒ぎで
これが一番つらかった。
子どもとの距離が必要なコロナが
ほんっまに嫌やと思った。
仁の熱が上がってきて
39.8℃になった。
急いで薬を飲ませた。
今回出してくれたのは
座薬ではなくて粉薬だった。
座薬を頼めばよかった
スプーンを毎回洗わんで済むように
ウエットティッシュを使いました。
便利
ちなみに台所には
次亜塩素酸水をつくって
ボウルにいれておき
どうしても洗いたいものや
布巾などはそれに浸して
使いまわしました。
プールの匂い
懐かしい。
仁が咳き込みながら
抱っこしてと言ってしがみつてくる。
横になるとしんどいみたいやから
抱っこのまま寝かしつける。
かわいそう
心配
コロナって怖かったけど
大事な子どもが感染していると
近寄る怖さは飛んで行ってしまう。
危ない。
仁が咳き込むたび
わたしの着ている服は
ウイルスが付着しているやろし
これも消毒して洗わんと
もし俊を抱っこしてしまったら
大変なことになる。
自宅療養の難しさを
心のどん底から実感した夜。
幸い熱は下がり
咳も落ち着きました。
わたしは3時間おきに
マスクを取り替えたんやけど
いつ水分や食事をとったらいいんか
わからんかった。
ちなみに仁のトイレは
人がいないときに行って
使用の前後で触ったところを消毒して
窓全開で換気しました。
途中、ウトウトしていると
俊がお手紙を書いて
持ってきてくれました。
襖の隙間にはさんでくれて
読んでみると
「ママだいすき。
みんなだいすき。
ぼくげんき」
って書いてありました。
泣けるわ。普通に。
その日の夜は
母さんが作ってくれたおにぎりを
食べました。
仁もおにぎり1個と
ポカリを飲んでくれました。
感染初日
保健所からの連絡は
ありませんでした。
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