高品質とは何か? | あなたも農業コンサルタントになれる

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  わけではない / by 岡本信一









農業の産業化という課題において、品質というのは重要な要素の一つであるが、


高品質って一体何でしょう。




日本農業はユーザー無視の歪んだ農業
http://www.foodwatch.jp/primary_inds/whatisgood/31806


工業製品でもなんでもそうですが、高品質って一体なんでしょう。


まず日本農業現場において、高品質なものを目指すという曖昧なものを排除する必要があると思う。


品質というのは、ユーザーが決めるものであって、生産側が決めるものではない、ということをきっちり抑えたい。


認識すべきは、自己満足を排除するということです。


はっきり書いてしまうと、自己満足の高品質を目指している方が多すぎる、ということです。


私は農家の方は社会経験を積んでから、農業の世界に入るべきだという意見なのですが、理由は、社会性ができるためです。


学校を卒業してすぐに就農してしまうと、社会一般的な考えができなくなる傾向があります。農業を特別なものと考え過ぎ、主義主張的なものにはまってしまう方が多すぎて、自己満足に陥りやすいのです。


理由としては、いい農産物、高品質な農産物、という曖昧な自己満足にハマるのを絶対に避けるためです。農業現場において、多くの方が自らの品質を語るのは素晴らしいことだと思うのですが、自己満足になっては何もならなしし、アーティストであったり、世界を支えているなどという過信すら生まれている人がいます。これは、個人的な考えですが、自らの職業に誇りを持つのはいいのですが、多くの人に支えられている個人にすぎないということを忘れてはならないと思うのです。


話がそれました。


最も重要な観点は、買っていただいているお客様の満足を与えられているかという点だけです。買っていただいた農産物に評価をつけることができるのは、お客様だけであるということを忘れてはならないのです。


リンク先でも書いていますが、ユーザーと農業者の意識の乖離というのは非常に大きく、もっとユーザーの望んでいることを理解する必要があると思うのです。


ユーザーサイドも問題はありますが、ユーザーなので勝手なことを言ってくるのはアタリマエ、という程度の認識で取り組み、それに対しても対応すべきです。どこで折り合うかの問題です。


さて、高品質の話ですが、高品質という言葉自体がおかしい、ということを皆さんお分かりですか。


何をもって高品質という点が重要なのですが、簡単にいえばユーザーの欲しい品質が高品質です。


高品質を作る側が語るべきではない。買っていただいたお客様だけが判断できる。


自らが物を買う時に、自らの判断の中で良い物、悪いものを決めることができます。農産物も同じだと思っています。


ユーザーのほしいものが多様であるように、品質評価も多様なのです。


よく言われる、市場サイドのわがままは、当然のことだと思うべきです。その中で、自らの生産物が競争力があるのか、ないのかが問われているだけなのです。


自分の作っているものの品質が高いというおごりを持つべきではないと思います。




主要国の収量比較について、Food Watch Japan の斎藤さんがまとめてくれましたので、紹介しておきます。




世界各国と日本の農産物単位面積当たりの収穫量の比較
http://www.foodwatch.jp/primary_inds/whatisgood/31918