硝酸態窒素の問題は、非常に微妙だ。理由は、学者の間でまだ結論が出ていないからだ。
詳細は、以下のリンクで確認ください。
http://www.foodwatch.jp/primary_inds/whatisgood/27889
しかし、私個人の考えでは硝酸態窒素は、危険ではない、という結論に達している。
連載の中の研究発表では、ブルーベビー症候群は、使用した水の衛生状態が悪いために発生したと結論づけており、発ガン性についても認められていないとしている。
硝酸塩は本当に危険か―崩れた有害仮説と真実
J. リロンデル,J.‐L. リロンデル
農山漁村文化協会
かなり詳細な様々な論文からの結論なので、今後、見直しが図られる方向になるのではないかと思う。
なにしろ、硝酸態窒素は、作物にとっての必須要素であり、硝酸態窒素が危険であるならば農産物を食べないほうがいい。硝酸態窒素を過剰に怖がるお客様には、植物の栄養分なので恐れているなら野菜は全て食べないほうが良い、と答えれば良い。
硝酸態窒素の問題について、牛の障害と結びつけている勘違い情報もある。
牛は反芻動物で、人間の代謝メカニズムとは全く違う。牛の硝酸態窒素の問題は、反芻動物特有のものであって人に与える影響とは全く違う。
告白すると、まだ現在のように硝酸態窒素の問題が表面化する前から騒いでいたうちの一人が私です。ですので、ここできっちりと、終わらせたい、と思います。
硝酸態窒素に危険は殆どない。健康のためにも野菜をもりもり普通に食べるほうが良い。
硝酸態窒素による障害は不衛生な条件で起こっており、農産物中の硝酸態窒素の問題ではない!!!
硝酸態窒素の問題が顕在化したのは、1940年代だったのだが、当時はまだ硝酸態窒素の体内での代謝がはっきりわかっていなかった。20年くらい前から徐々に代謝について判明し、上記の発表がなされた。
私が騒いでいた当時(20年近く前)は、硝酸態窒素の問題に対する反論はなく、常識であったのだが現在では覆されてしまったということだ。
学者の間では議論が続いているようだが、基本的には反論は不可能だろう。
科学の進歩は恐ろしい。ちょっと油断をしているとあっという間に時代遅れになってしまう。しかし、覆されていることに固執することのほうが恥ずかしい。当時の情報は、時代遅れになってしまいました。申し訳ありませんでした。
ただし絶対に勘違いしていただきたくないのは、硝酸態窒素が高くてもいいと言うことではない。ということです。
栽培の観点においては、窒素過剰が良い点は見当たらない。
1.科学的な結論は、まだ出ていない。
2.硝酸の高いものは、栄養価の低い可能性が高い
3.栽培の観点からみると窒素が多すぎ、それが栽培が上手くゆかない最大の原因となっている
4.環境保全のためにも不要窒素の削減が必要
5.硝酸態窒素が高濃度のものは不味すぎる
6.硝酸態窒素濃度を軽減するのは簡単
重要なのは硝酸態窒素過剰の問題は、化学肥料の問題ではなく、チッソ過剰が問題だという点である。
「化学肥料を使用するから農薬の使用が増える」←間違い
上記に関連して「化学肥料を使用すると虫がつきやすい」←間違い
「化学肥料の使用により硝酸態窒素が増える」←間違い
そう、チッソの過剰が問題であって、化学肥料の問題ではないのだ。チッソの過剰であれば、堆肥の過剰投入でも起こりうるし、現場では堆肥の過剰投入による窒素過剰のほうがはるかに多い。
施肥を通常の二倍も三倍も行う人はいないが、堆肥は10倍20倍入れても平気な人が多いからだ。
硝酸態窒素過剰の原因は、化学肥料ではなくチッソ過剰だ!!!←アタリマエ
硝酸態窒素の問題は、こちらに詳しくわかりやすく記載されており、ここからのリンクも非常に有用です。
http://naturefarm.iti5.net/?eid=43&fb_source=ticker&fb_action_ids=418692981541503&fb_action_types=og.likes
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