農業コンサルタントってどんな仕事?(上) | あなたも農業コンサルタントになれる

あなたも農業コンサルタントになれる

  わけではない / by 岡本信一

すっかり、放置してしまったが新しい年になり、気分も一新ということで今年はブログの更新を熱心に行なってゆきたい。
きちんと書こうとすると滞ってしまうので、思いついたことをどんどん書いてゆくブログにしたいと思っている。
「農業経営者」という雑誌で連載もはじめたが、連載でかけない部分も補足するような形の情報も提供したいと思っている。

まずは、農業コンサルタントについて書いてみよう。
農業分野に関係するコンサルタントというのは最近増えてきているが、農業コンサルタントといっても、様々な分野がある。
私がコンサルタントをはじめた当初は、農業関連ビジネスは衰退産業ということで見向きもされない時代だったので、コンサルタントなどというものはほぼ存在しなかった。
しかし、昨今の農業関連ビジネスの興隆によって、農業コンサルタントと名乗る人はかなり増えているように思う。
まず、農業コンサルタントと名乗る人はどのような種類があるのか紹介してみたい。

農業コンサルタントといっても多くの分野が存在する。

多くの方がイメージする農業コンサルタントは、生産の現場で技術指導する人だと思う。しかし、実際にはこの分野の農業コンサルタントはかなり少なく、技術指導だけで日本で仕事をしている人を自分以外に見たことがない。
意外に思われるかもしれないが、日本では技術指導をするコンサルタントはほぼ存在しないのだ。
副業的に行なっていたり、販売事業で生計を立てているという人がほとんである。
つまり、コンサルタントと名乗ってはいても、実際は資材メーカーの顧問であったり、コンサルタントと云う名の販売促進員であったりする。
技術指導だけでは食えないために資材販売がメインになってしまったりする。
日本の農業現場ではある程度仕方のないことなのかもしれないが、実際はそんな感じである。
これには理由があり、技術指導そのものにお金を払うという素地がないからである。
日本には、公的機関の指導組織があるのだから無理もない。
資材メーカー系のコンサルタントでは大学や試験場を退職された方が、顧問という形で現場指導をしたりするコンサルタントをしている例も多い。

最近多いのは、経営アドバイスを行うコンサルタントである。
農業ビジネスを経営の観点から、経営指導を行うコンサルタントである。
こういったコンサルタントは、別分野の経営コンサルタントが農業分野に進出してきて行なっているケースが多い。
経営に関連した所では、経理のコンサルタントもいる。
当然これは、税理士や公認会計士などが今後の新しい分野として農業分野に進出してきた場合である。
最近増えているのが、農産物販売や、プロモーションに関連するコンサルタントである。後者のプロモーションに関連するコンサルタントは、他の分野でも多いと思うが、販売のコンサルタントというのはかなり珍しいのではないか。
農業にかぎらず販売というのは、大事なことで販売がおぼつかなければ企業として立ちゆかない。しかし、農業分野では生産活動が重視され、販売が軽視される傾向があったので、規模拡大と共に販売関連をサポートするコンサルタントが増えている。
そこで、販売の促進や販売そのものを請け負うというコンサルタントが増えてきたのだと思う。コンサルタントと言うか、仲買人のような場合も多いようだ。
生産技術がしっかりしていれば、問題は販売なのだから、うまくいけば非常に有効だろう。

<続く>