こんにちは。 ノートルパリです。 ご訪問頂きありがとうございます。

 

お客様のご要望に応じて、電車 又は レンタカーにて、日帰りシャンパーニュ地方でのカーヴ見学やテーステイングのご予約と同行も行っております。

 

今回は、レンタカーにて、AY村、ドンペリ村、エペルネ、ランスと4か所を回りました。 パリからエペルネ迄は、150㎞位ですので、全部で400㎞ちょっと走ってきました。

 

ジャック・セロスとアンリ・ジローのテーステイングがご希望でしたが、残念ながら、現在は、臨時でジャック・セロスのテーステイングが休館となっています。それで、ジャック・セロスのレストラン LES AVISESに予約の電話をしたら、こちらも火曜日と水曜日が定休日で、残念ながらご希望日は、定休日でした。AY村のレストランも㈫㈬が定休日の所が多いですから、ご注意下さい。

 

よって、今回の一番の目玉は、高級シャンパーニュ メゾンのアンリ・ジローです。 ( ´艸`)

アンリ・ジローと言えば、このブルーグレー色の建物の壁の色なので、AY村に入るとすぐに分かりますね。 実は、レンタカーと携帯ナビの接続が途中から調子が悪くなり焦りましたが、無事に到着しました。 ( ´艸`)

 

 

中に入ると、Henri Giraud=アンリ・ジローのGマークがあります。

 

シャンパン好きの方々は、良くご存知のメゾンですが、少し説明をしますね。

 

アンリ 4 世とその子孫と同時代のエマール家は、17 世紀初頭にアイ村に永住しました (フランソワ エマール 1625-1705)。

その歴史はアイ村に根ざしており、18 世紀のシャンパンの並外れた叙事詩と密接に絡み合っています。

ブドウの木に悲劇的な被害をもたらしたフィロキセラは、この牧歌的な風景を打ち砕くことはできません。 20 世紀初頭、マルヌの戦いの胸甲騎兵レオン ジローがこの挑戦に挑みました。彼はエマール出身の若い女性と結婚し、アメリカ式接ぎ木という最新の技術を使って家族の壮大なブドウ畑を再建しました。

ジロー・エマール家の12代目クロード・ジローがこの家の運命を統括していると聞いていましたが、この訪問時に、娘のエマニュエル・ジローがトップで頑張っているとの事でした。

 

現在、ジャック・セロスもアンリ・ジローも宿泊が出来ます。

アンリ・ジローのマノワール(邸宅ホテル)は、現在、5部屋あるそうですが、新しいホテルを敷地内に工事中という事でした。 どんどん拡大しています。

 

シャンパーニュ地方で宿泊して、自転車でテーステイング回りというのも有りですね。( ´艸`)

 

随分と前に来た時には、下記のモダンな建物が無かったので、こちらがホテルと思いきや・・・

スタッフに聞いたら、下記は、社長ファミリーのお宅だそうです。 大変失礼しました。 ( ´艸`)

 

下記のテーステイング ルームも以前来た時には、有りませんでした。

お客様は、10年前にも訪問されていて、その時のスタッフが、未だこちらで仕事をされていました! 凄い事です。

 

 

ランスやエペルネのカーヴと異なり、ここのカーブは、地下にありません。

 

実は、そのカーヴの秘密が、下記の窓ガラス越しに少し見えるのですが・・・

写真では分かりませんね。 このカーヴの横は、川が流れています。

もし、地下のカーヴがあったら・・・ 川の横ですから、当然土地はぬかるみ、浸水します。

このカーヴでさえ、大雨の時には、カーヴに川の水が入り込みます。そのお陰で、1年を通して、10度位の温度に保てるのです。

 

アンリ・ジローのシャンパンが美味しいのは、常に探求心を持って、より一層美味しいシャンパンを作ろうとする姿勢です。

 

シャンパン メゾンには、色々なタイプがありますが、アンリ・ジローのシャンパンと対照的なのは、モエ・エ・シャンドンでしょうか? ナポレオンが飲んだシャンパンも私達の孫が飲むシャンパンも同じ味を作り続けるという哲学を持っています。香水で言えば、シャネルの5番のような、永遠の味、香りですね。これさえ、自然相手に同じ味、香りを作り出すのは大変な事です。

 

アンリ・ジローのシャンパンは、プロがもっともっと勉強していき、どんどん新しい挑戦をして、もっと美味しい味を探し求めているという印象を持ちました。

 

彼らの哲学は、3つだそうです。 グランクリュのテロワール=土壌、ピノノワールとシャルドネのセパージュ、熟成方法。

このAY村は、グラン クリュのぶどう畑しか無い、南向きの非常に太陽が良く当たる最高の立地条件の村なんです。

AY村は、年間を通して1700時間しか太陽が当たりません。土の厚さ20cm、その下には、200メートルの石灰岩で覆われている土地=土壌=テロワールなんですね。

天才は苦しみの中に生まれると言われています。美味しいシャンパンも同じなのかも知れませんね。

 

ヴィンテージを熟成させるためにオーク樽をアルゴンヌオークで作っています。

下記の樽にもアルゴンヌの森の名前が刻まれています。

このアルゴンヌの森は、他の森よりも土地が肥えておらず貧しいのです。そうなると、木の生育が変わってきます。肥沃の土地の木は、樽が造れるように成長するのに、10年だそうです。

しかし、貧しい土地のアルゴンヌの森の木は、最低でも15年かかるそうです。

ゆっくりとしか木が成長しません。しかし、その木は、気泡が無く、密度のある木に成長していくそうです。 それが、シャンパンの熟成に美味しい影響を与えてくれるようです。

 

このアルゴンヌオーク樽には、下記のように細かく記載があります。

熟成用の樽ですが、木を切った日、木から樽を作った日にちや同じ森の中でも10か所位に分けられているので、どこの場所に生えていた木か、木の番号等、細かく記載されています。

2020年物シャンパンの第一発酵熟成用の樽です。

要は、木を切った後、すぐに樽にするのではなく、木自体も5年ほど寝かせるようです。

 

下記は、2023年物の昨年収穫した第一発酵用の樽ですが、良く見ると、さらに、新しい記載が加わっています。

この木は、175歳! さらに、がありますが、同じ木の中でも上の方の部分を使った樽という事です。 すなわち、樽の材料によって、シャンパンの味に大きな影響が出てくるので、益々細かい記載内容にされたのですね。 流石、13代にもなる専門家の中の専門家です。

 

ここには、3種の色のアンフォーラ=卵型瓶がありました。白、オレンジ、ブルー。

これらは、色によって、材料が若干異なります。白は、ベースで、砂岩で作られており、オレンジは、それに粘土を加え、ブルーは、さらに、オレンジの通気性のある表面を完全に覆ったそうです。 全て、100%自然な物質を材料にして、この3種のアンフォーラで熟成させる事によって、3種共に、味が異なるようです。 実に芸が細かいですね。

 

こちらは、テラコッタ=焼き物です。が、これで熟成させたシャンパンの味に納得出来なかったようで、今は、製造していないそうです。

こういった理由で、どんどんとアンリ・ジローのシャンパンの味は変化していくので、新しい名前のシャンパンが製造されているのです。

ちなみに、これらのアンフォーラの下を見て下さい。地面からかなり浮いています。その理由は、ここに、川からお水が浸水してくるからなんです。

 

さらに、下記のリザーブワイン用の記載に驚きますね。

リザーブワインは、1990年~2022年のアッサンブラ―ジュ=調合です。

 

リザーブワインとは、一般的には、澱を取り除いた後に目減りした分だけ入れるのですが、アンリ・ジローのシャンパンは、ヴィンテージでない場合には、それ以上の分量が入っている事もあるようです。 

ちなみに、澱とは、シャンパンの泡が誕生する時に、生きた酵母がお砂糖を食べて泡が誕生するのですが、お砂糖が無くなると酵母が死んでしまい澱になります。イメージとしては、和食のダシでしょうか? ( ´艸`)

瓶内2次発酵の際に、澱を入れて4年とか7年とかそれ以上寝かせるのですが、寝かせれば、寝かせるほど、ダシ=澱によって、良いお味になってきます。 ( ´艸`) 

しかし、寝かせれば、寝かせるほど、すぐに販売出来ないので、ファイナンスのやりくりが大変になってきます。

 

そんなお話を聞きながら・・・

その後は、テーステイング。

 

HOMMAGEは、ピノノワールへのオマージュという事で、80%以上がピノノワールだそうです。残りは、シャルドネ。  新しい樽で熟成させたそうです。

 

エスプリ ナチュール。 上記と同じセパージュですが、こちらの樽は、5年使用した古い樽で熟成させたとか。。。

 

オーク樽 MV18。 MVの意味は、マルチ ヴィンテージだそうです。 現在販売されているのは、2015年物のヴィンテージですが、このMV18は、2018年物のヴィンテージを中心に、他のヴィンテージをブレンドしているそうです。 勿論グラン クリュ。

 

最後に、甘いラタフィアで終了。 ここのラタフィアは、レストランにも卸しているそうです。

 

デザートワインのようなものですので、フォアグラやロックフォールチーズの他に、チョコレートを合わせると良いです。

運転する私は、このピノノワールのぶどうが入ったチョコレートだけ頂きました。 ( ´艸`)

 

巷のお店やパリのサイトでも大人気のアンリ・ジローのシャンパンは、売り切れがが多いです。

ここには、上記のテーステイング以外に、下記の非常に珍しいアルゴンヌ グラン クリュも販売されていましたが、1本が、ここで購入しても日本円で10万円を超えます・・・

 

アンリ・ジローのシャンパンが美味しい理由が分かりますね。 

 

 

 

 

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