こんにちは。 ノートルパリです。 ご訪問頂きありがとうございます。
マティス礼拝堂は、ここでしか見られない貴重な場所で、マティス芸術の集大成です。
ヴァンスのロザリオの礼拝堂というのが、正式名。
1949 年から1951 年にかけてヴァンスにドミニコ会修道院のために建てられた礼拝堂。
シャンゼリア劇場を建設した事でも知られる有名な建築家オーギュスト・ペレ によって設計され、アンリ・マティス( 1869 - 1954 ) によって装飾されました。
この日は、あいにくの雨・・・
十字架の下にあるのが礼拝堂で、ヤシの木の横にある素敵な建物は、ドミニコ会修道院です。
室内から見る礼拝堂の屋根。 素晴らしい色彩。コートダジュール=紺碧の海岸と言われる海の色。
下記が、オーギュスト・ペレとマティスとで作り上げた模型。どちらかが欠けてもこの礼拝堂は出来なかったでしょう。
マティス自身は、こう語っています。
『私は美しさを求めたのではなく、真実を求めました。この作品には 4 年間の専念的かつ勤勉な作業が必要でした。それは私の今までの活動の結晶です...すべてが完璧に出来ているわけではないが、私はそれを私の最高傑作だと考えています。』
1951 年のこの作品の落成式に重病の為にマティスは出席出来ませんでした。
マティスは、1941年 彼が72歳の時に、結腸癌となり、余命6ヶ月と言われました。
それから彼は手術後も鉄製のコルセットを着用しているため、1時間以上立っていることができませんでした。さらに、彼は胆石を患っていたそうです。
筆で今までのような絵画が描けなくなった寝たっきりの身体障碍者になったマティスは、ベッドの中ではさみで紙を切り、アシスタントが紙を置き、アーティストが望む場所に貼り付けることができる切り抜き紙の技術=切り抜きガッシュ技法を使い始めたのです。
それが下記に生かされたのです。
礼拝堂用に白、ピンク、緑、紫、赤、黒の 6 つのシャズーブル=司祭服を作りました。
グリーンの場合を例にとると・・・
ちなみに、キリスト教のイコンの色には、意味があり、グリーンは、希望を表します。
デザイン画とサンプル生地や縫製指示が作られました。
出来上がりの司祭服
一般的なファッションとしても使えそうなスカーフ
他の色
ピンク
赤
地下の礼拝堂の入り口。
残念ながら、礼拝堂内は、写真禁止でしたので、下記は、模型の写真です。
参考までに。
ステンドグラスが素晴らしいです。
特に、紺碧の青の色が素晴らしい・・・ 溜息・・・
し~んと静まり返った、とても小さな礼拝堂。 ここに、自分達しかいない贅沢さ・・・
夏のハイシーズンでなくて良かった。 ( ´艸`)
礼拝堂には、こんなお庭があり、ヴァンスの町が少し見えます。
残念ながら、修道院のお庭ですので、一般人は入れません。
アンリ・マティスは、72歳の時に、6ヶ月の余命と宣告されてから、最終的に、12年も生きて、素晴らしい礼拝堂を残しました。
礼拝堂が出来上がった3年後の84歳に、他界されています。まるで、この礼拝堂に自分の最後の力を全て費やしたかのように・・・
マティスの妻や娘が、第2次世界大戦の時代に、抵抗レジスタンス運動の為に、ゲシュタボに逮捕されたりと、大変な人生を歩んできたマティスですが、最後には、このコートダジュールで、大自然に癒され、神聖な自分の心を作品に反映させた事が伝わってきます。
何度も訪れたい場所です。
NOTRE PARISノートル パリへのコンタクト↓↓