【サイプロ・小説】SCHOOL FESTIVAL6 | 無題警報

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私は、小さい頃から空を眺めるのが好きだった。

晴れの日も、雨の日も。

朝も、昼も、夜も。

常に違った表情を見せてくれる空を眺めるのが、私の日課になっていた。

・・・中2の時にそれを友達に言ったら「のんきだなあ」って笑われたっけ。

それでも、私は空が好きだった。

この曲・・・「weather news」はそんな頃に作った曲だ。

個人的にはかなり気に入っていたけれど、それもやっぱり友達に「子供っぽいかな」って笑われたっけ。

だけど、「皆」は違った。

ふとしたきっかけで出会った「皆」は、そんな私を暖かく迎え入れてくれて、そんなこの曲を普通に褒めてくれた。

訳あってバンドというものに少し抵抗感を持っていた私だけど、「皆」と・・・「SIREN」との演奏は、心の底から楽しめる。

『空は、ココロを映す鏡』

今日の天気は、雲1つない晴天だ。



会場内に響く大きな拍手と、アンコールの掛け声。

こんなにたくさんの人に楽しんで貰えたのは、一体いつぶりだろうか。

さて、たった今演奏を終えた「weather news」で、観客全員に向けての僕達「SIREN」のライブは終了となる。

ここからは、1人の少女のためのライブの幕開けだ。

『・・・アンコール、ありがとうございます』

そう告げる僕を、さっきまでとは違った緊張感が包んでいく。

皆もきっと同じなんだろう、ステージの空気ががらりと変わる。

あの少女はここに来ているんだろうか。

無意識に大勢の観客の中から1人の少女の姿を探しつつ、僕は言葉を紡いでいく。

『僕には、双子の姉がいます。その人はとっても強くて、優しくて、いつだって僕の憧れの的でした』

だけどそれはある日、あっけなく崩れさってしまって。

『訳あって離れ離れに暮らしてて、最近になってやっと昔みたいに一緒に暮らせるようになったんです』

過去にあった様々な不幸の記憶が、僕の頭をよぎっていく。

今まではそれがすごく辛くて、目を背けてばかりだった。

でも。

『色んな事がありました。蔑まれたり、笑われたり、気味悪がられたり・・・』

今は、胸を張って言える。

そんな不幸の記憶も、かけがえのない僕達の思い出なんだ、って。

『姉が今日ここに来ているかはわかりません。どこかで見ているのかも知れないし、来ていないのかも知れない』

そう、どこにいたって構わないんだ。

想いは、きっと届いてくれるから。

『ここにいる皆も、辛い事がたくさんあると思います』

助けられてばかりだった僕は、いつか恩返しが出来たらといつも思っていた。

きっと、今日がその日なんだろう。

『でも、諦めないで下さい。不幸なんかで下を向いてしまったら、いつかみたいに笑えてた事を忘れてしまう』

いつか、その日の事を思い出して「ああ、これもいい思い出だったね」って言えるような日が必ず来るんだから。

『だから、諦めないで。いつだって僕達は覚えているから。君の側にいるから』

そこまで言い終えて、僕は目を閉じる。

不思議と、緊張感は消え去っていた。

再び目を開け、ギターに手を添える。

『次が最後の曲です』

一呼吸の間を置いて、告げる。

『「追憶ノ欠片」』



少女は、涙を流していた。

『I Remember

僕は覚えているよ

どんなに、月日が経っても

I Remember

君に捧ぐ詩

もしも、願いが叶うなら

また、笑い合いたいな』

綺麗なメロディーと、綴られた歌詞の1つ1つが、少女の心に暖かい光を灯していく。

涙を流したのは随分と久し振りだ。

でも、嬉しくて涙を流すのは、初めてだ。

いつしか少女の頭の中には、幼い頃の記憶が鮮明に映し出されていた。

泥だらけになって遊んだ事。

そのせいで大人にこっぴどく叱られた事。

別れ際に見た涙。

再会した時に見た笑顔。

どれもこれも、素敵な思い出のカケラ。

「・・・私を呼んだのはこの曲を聞かせるため、か」

少女は静かに目を閉じて、曲に聞き入る。

やがて曲は終わり、再び会場内は拍手喝采で埋め尽くされる。

正面のステージに立つ彼女の弟は、満面の笑みを浮かべている。

少女は目尻の涙を拭い、小声で何かを呟いた。

「─────」

それは会場内に響く大歓声で掻き消されてしまったが、ステージの上の弟達を見つめる彼女の表情は、どこか晴れ晴れとしていた。

彼女としては少し名残惜しくはあったが、会場では既に閉祭式の準備が始まっていた。

一般の観客達も帰り始めていたので、少女もそれに従ってこの場を後にする事にした。

早く家に帰らなくては。

・・・皆に、笑顔で「おかえり」って言うために。


────続く────
こないだ16歳になりました、るかですどうもこんばんは。
ポテチをもっちゃりもっちゃり頬張りながらぽちぽちと書いていたこの学園祭編ですが、いよいよ次回がラストとなります。
携帯が油まみれです。
汚いです。
サワークリームオニオン美味しいね。
話が逸れましたが・・・今回の内容を少し。
莱花はあのライブを見て、何を感じたんでしょうか。
この物語のテーマは「人の心」です。
今回登場した「weather news」はそのテーマを色濃く反映させた楽曲ですね。
作詞作曲をした奏らしい、明るい曲です(たぶん)。
「追憶ノ欠片」はその名の通り、思い出の歌ですね。
初めて作詞した曲なので、特に思い入れが強い曲でもあります。
「例え君があの日の事を忘れてしまったとしても、僕が覚えてる。僕が思い出させてあげる。だから、もし願いが叶うなら、これからは一緒に思い出を作っていけたらいいな」
そんな事を歌った曲ですくそ長いね。
そう、どんな事も素敵な思い出になり得るのです。
携帯のボタンをポテチの油でギットギトにして打った小説でさえ、素敵な思い出になる日が来るのです。
来ないと困ります、個人的に。
さて、長々とあとがきを書いてしまいました。
ので、今回はここで終わろうと思います。
次回からも恐らくポテチの油でボタンをギットギトにしながら書く事でしょう。
太りそうです。
それでもいいならこれからも読んでくれると嬉しいものです。
では、今回はこの辺で!