【サイプロ・小説】SCHOOL FESTIVAL2 | 無題警報

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「うん、過労ね。少し休めば元気になるわ」

「そうですか・・・・」

先生の言葉を聞いた東雲先輩がほっと胸を撫で下ろした。

佐倉先輩が倒れたと聞いて、僕達はすぐに保健室に向かった。

どうやら疲れが溜まっていたのと睡眠不足だったのが原因らしく、僕達も安堵の溜め息を吐いていた。

「よかったな、何事もなくて」

「うん」

優希とそんな会話を交わしながら、僕はベッドで寝ている佐倉先輩・・・の隣に座った東雲先輩に視線を移した。

佐倉先輩が倒れたと聞いた時、誰よりも早く部室である生徒会室を飛び出したのは東雲先輩だった。

いつもはあんなに軽薄な東雲先輩が、あんなに真剣な表情をしているのを見たのは初めてだ。

そんな僕の思いを察したのか、柊先輩が言った。

「・・・会長は仲間とか友達の事になると凄く真剣なんだよ」

「・・・仲間想い、なんですね」

「だから会長は生徒会長として選ばれたんだし、俺達も安心してついていける。普段はバカで変態なチャラメガネだけどね」

いつも薄い笑みを絶やさない柊先輩だけど、今浮かべている笑みはいつもよりも暖かく、柔らかい笑みに見えた。

すると、東雲先輩が僕達の方を向いて、

「お前ら、今日は帰っていいぞ」

「え?」

「お前らも疲れてるだろうし、今日くらいはゆっくり休んどけ。明日からは本格的に準備期間が始まるし、舞みたいにならないようにな」

それを聞いた僕達は顔を見合わせ、

「わかりました。じゃあ、今日はこれで」

「ああ、じゃあな」

その場を、後にした。



「はー・・・」

ぽふん、とベッドに仰向けになった私は、小さく溜め息を吐いた。

結局あの後、私達はバンドの練習もせずにそれぞれの帰路についた。

「みんな、頑張ってるんだな・・・」

そのまま、視線を部屋の角に移す。

壁にかけられたボードには、何枚かの写真が貼ってある。

思い出。

だけど、良くはないあの日のトラウマ。

ボードの下には、中学時代に使っていたギターが立て掛けてある。

全部やめようと思った事もあった。

でも、私を必要としてくれる人達に出会えた。

私は立ち上がり、ギターを肩にかけてみる。

ずっしりと重い感触は、あの日と何も変わらないままのもの。

あの日の事を思い出して少し心が痛むけど、気持ちを切り替えるように、私は小さく目を閉じ、そしてゆっくりと開く。

「・・・・うん、頑張ろう」



翌日。

本格的な学園祭の準備期間に入った赤葉学園は、生徒の話し声で賑わっていた。

それはもちろん僕達のクラスも例外ではなく、

「光ちゃん、そういえばメイド服って誰が切るの?」

「それはもちろん女子全員プラス水無月くんよ!!!」

「え!?僕も!?」

「「「「「うん」」」」」

「ハ・・・ハモった・・・・」

などと騒ぎながらも、各々が自分の仕事を進めていく。

「あ、そうだ水無月くん」

「はい?」

「ちょっと布貰いに生徒会室まで行って欲しいんだけど、頼める?」

「大丈夫ですよ」

「よかった、じゃあお願いね」

よろしくねー、と手を振るクラス委員、妹尾さんに手を振り返しながら教室を出ると、

「梨桜ちゃん、私も行くよ」

奏さんが教室を出てきて、僕の隣に並んで歩き出した。

「賑やかだよねー、毎日こんなだったらいいのになあ」

「僕達のクラスは毎日賑やかですけどね」

少し苦笑いを浮かべてしまうのは、僕達のクラスが賑やかすぎるからだ。

他愛のない話をしながら生徒会室に向かって歩いていく。

「実は、学園祭に向けて曲を作ってるんですよ」

「え、そうなの?」

「はい。「追憶ノ欠片」っていう曲なんですけど、完成し次第「weather news」と一緒に練習をしようかと」

ほえー、と奏さんは関心したように頷きながら、

「どういう曲なの?」

「お姉ちゃん・・・莱花のために作った曲なんですよ。学園祭には顔を出すって言ってくれましたし、この曲をきっかけにしてお姉ちゃんもみんなに心を開いてくれたらなあ、と」

えへへ、と照れ笑いをしながら話す僕に、奏さんは微笑んだ。

「・・・きっと、心開いてくれるよ。頑張ろうね、学園祭!」

「・・・はい!」

そんな事を話している内に、生徒会室の前まで来ていたみたいだ。

コンコン、とノックをしながら扉を開ける。

「失礼しまー・・・って、佐倉先輩!」

生徒会長である東雲先輩はもちろんだけど、生徒会室には他にも、佐倉先輩がいた。

「あ、2人とも。昨日はごめんね、心配かけちゃって」

「いえ、僕達は全然・・・それより、体調は大丈夫なんですか?」

「ええ、ばっちり」

そう言いながら、佐倉先輩は僕達にウィンクをしてみせた。

佐倉先輩は東雲先輩の方に向き直ると、

「それじゃあね、新太」

そう言い残して、生徒会室から出ていった。

「・・・元気そうでよかった」

「そうですね」

僕達が話していると、

「お前らは何しにきたんだ?」

「あ、布を貰いに・・・」

「布か。そこにあるから適当に持ってっていいぞ」

東雲先輩に言われた通りに僕達が箱の中から何枚か布を取りだし、

「失礼しました」

生徒会室を出ようとした、その時。

「ちょっと待て」

「「?」」

東雲先輩に呼び止められて僕達が振り向くと、東雲先輩は優しく笑いながら、言った。

「ありがとな、昨日は」

そうとだけ言って口元に薄く笑みを浮かべると、

「それじゃーな」

ぱたん、と生徒会室の扉が閉められる。

僕と奏さんは顔を見合わせ、そして互いに微笑み合った。

「戻ろっか、梨桜ちゃん」

「・・・はい!」

学園祭は、もうすぐだ。


────続く────
こんばんは。
最近暑くて暑くて若干干からびそうです。
でも、夏と言えば夏フェスやロックフェスやら…そう、バンドの季節なのです。
バンドっていいよね…。
うん…。
話がわからなくなってきました。
では、次回お楽しみに!