【サイプロ・小説】CLUB ACTIVE1 | 無題警報

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───第2章「CLUB ACTIVE」──

梨桜達が通う私立赤葉学園(あかばがくえん)では、部活動の参加が義務付けられている。

当然、部活動の種類も豊富なわけで。

昨日入学したばかりの梨桜達新1年生を我が部に獲得しようと、部活動の勧誘争いは街でもちょっとしたイベントになるくらい有名だった。

学校を出ても止む事を知らない勧誘を何とか突破した梨桜達は、いつもの商店街のベンチに座っていた。

「・・・・いや、部活の数多すぎだろ・・・・」

軽く天然パーマのかかった青髪の少年、御手洗優希(みたらいゆうき)が手に持った大量のビラに視線を落としながら言う。

「そういえば、入る部活決めないとですね・・・」

同じように、大量のビラを1枚ずつ見ながら言う白髪に赤い瞳という特徴的な外見の少年の名前は水無月梨桜(みなづきりお)。

女子用の制服を華麗に着こなしているが、立派な「男」である。

「何かよくわかんねえ部活もあるな・・・「帰宅方法研究会」って完全に帰宅部じゃねえか」

野球部やサッカー部といったメジャーな部活に紛れて時々見つかる「これほんとに部活なの」的な部活に冷静にツッコミをしていく一之瀬玲(いちのせあきら)は、どちらかと言うと金髪に近い感じの明るい茶髪を少し立たせている不良っぽい印象の少年だ。

「・・・そういえば、帰宅部はちゃんとした部活なのになんで部活として認められないんだろうね・・・?」

根本的にちょっとずれた疑問を大真面目に発する少女は君島奏(きみしまかなで)。

肩にかかるくらいの茶髪のセミロングを、ピンクのピンが引き立てている。

「とにかく、何かしらの部活には入らないといけませんし・・・・どうしましょうか?」

梨桜が毎日のように通っているたい焼き屋のたい焼きを頬張りながら訊ねる。

「普通に考えれば軽音楽部、だよな・・・・」

奏を抜いた梨桜、優希、玲の3人は「SIREN」というバンドを結成している。

優希の言った通り、バンドとしての経験を活かすのなら軽音楽部に入部するのが最適だろう。

しかし、

「わざわざ部活、ってのもな・・・・」

バンドを組んでいるとは言え、彼らは毎日活動をしているわけではない。

「まあ、部活はたくさんありますし、明日から仮入部期間ですから・・・ゆっくり考えていきましょうか」

梨桜の提案に、他の3人が頷く。

今日はこれで解散にしよう、という梨桜の言葉で、4人はそれぞれの帰路へとついた。

「・・・・部活、か」

帰り道を歩きながら、奏は渡された大量のビラの内の「軽音楽部」と書かれたビラを眺める。

「・・・・はあ・・・」

思わず溜め息を吐いてしまうのは、彼女が「部活」というものにあまり良い思い出を持っていないからだ。

仕方ない。

そう心の中で呟いて、彼女は帰り道を歩いていく。



新入生歓迎会。

赤葉学園に存在する数多の部活にとって、新入生を獲得する最大のチャンスである。

しかし、多すぎる部活全てがアピールをするというわけにもいかず、抽選で選ばれた15の部活がアピールする権利を得る事が出来る。

部活動によっては新入生歓迎会に全てを懸ける部活もあり、赤葉学園の新入生歓迎会は「その辺の文化祭より凄い」とこれまた街で有名らしい。

だが、今年の新入生歓迎会はいわゆる「ハズレ」らしかった。

『このように、生物というものは実に神秘的な』

「つまんねえ・・・・」

堅苦しく説明を続ける「生物研究会」の話を聞き流しながら、優希があくびと一緒に呟く。

この「生物研究会」といい、今年の新入生歓迎会は「2次元愛好会」やら「伝統芸能伝承部」などザ・文化部!!といわんばかりの文化部のオンパレードだった。

「すぴー・・・・」

「寝たらダメですよ奏さん・・・ふわ・・・」

隣で寝息を立てている奏を注意するものの、梨桜にも眠気が襲う。

『・・・というわけで、我々生物研究会一同、新入生の皆様の入部を心よりお待ちしております』

この堅苦しい口調は何とかなんないのだろうか。

いや僕もなんだけど。

梨桜がそんな事を思っていると、どうやら生物研究会が最後だったらしく、新入生歓迎会は終了となった。



「いいか?ニーナ・・・見るからにどんくさそうで、バカっぽそうで、単純そうな奴だぞ」

「新太」

「ん?なんだ?」

「チョコバー3本。見返りはちゃんと貰う」

「わかってるよ・・・よし、行ってこい」

「・・・新太、普通に勧誘しなさいよね・・・」

「えーだってめんどくせえもん。なあ秋斗?」

「さあね」

「む・・・相変わらず無愛想だなお前」

「東雲先輩は変態チャラ男なんですから秋斗君に冷たくされるのは当然です。その点佐倉先輩は可愛いしかっこいいしむふふふふふふふ」

「ちょっ・・・くっつきすぎよ奈菜」

「いいな・・・俺も舞のおっぱい触りた」

「死ね!!!!」



放課後。

今日から仮入部期間という事で、授業が終わったにも関わらず、校内はたくさんの生徒で賑わっていた。

「ほわああ・・・実際に見て回るとすごいねえ」

奏が掲示板のビラを見て、目をきらきらと輝かせながら言う。

「次はどこ行く?」

「んーと・・・こっからだと調理部が近いな」

「調理部・・・毎日たい焼き作れるかもじゅるり」

「梨桜、よだれ垂れてる」

一緒に部活を見学して回っている4人は、様々な部活を見学して楽しんでいた。

その時、

「・・・・・ん?」

突然、梨桜が何かを感じたのか、辺りをきょろきょろと見回し始めた。

「どうした?梨桜」

玲が怪訝そうに訊ねると梨桜は、

「何か視線を感じたんですけど・・・・気のせいみたいですね」

「早速梨桜のファンでも出来たんじゃねーの?」

「え」

優希の軽口に、梨桜が顔を青ざめさせる。

「・・・いや、そんなマジにとらえられても・・・」

「あら、あなた達もしかして見学?」

「え?あ、まあ、そんなとこですけど・・・」

調理部が使用している調理室から部員らしき女子生徒が現れ、梨桜達は流されるように調理室へと入っていく。

傍にあった掲示板に貼られた部活のビラに釘付けになっている奏を置いて。



「ふう・・・意外と面白そうでしたね。たい焼きは作れないっぽかったですけど」

数分後、梨桜達が見学を終えて調理室を出た。

「このクッキーうめえな」

「まあな。って、君島ほったらかしにしたままだったなそういや」

玲が思い出したように言う。

「あ、そうでした・・・。すみません奏さん・・・奏さん?」

梨桜が首を傾げ、辺りを見るが、ついさっきまでここにいたはずの奏が消えている。

「あれ?いないですね・・・」

「電話でもしてみたらどうだ?」

「そうですね」

玲の提案を受け、梨桜は携帯を取り出し、奏の携帯の番号を打ち込んでいく。

数回のコールの後、電話が繋がった。

『もしもし?』

「奏さん、今どこですか?」

『えっとね・・・どこだろここ』

「え、わかんないんですか・・・?」

『ちょっと待ってて!・・・あの、ここってどこですかね?』

奏の近くに誰かいるのだろうか。

奏は誰かと一言二言言葉を交わした後、

『生徒会室だって』

と言った。

「生徒会室・・・?」

何故奏が生徒会室に・・・?

梨桜達3人は顔を見合わせ、

「わかりました。今から行きますね」

とだけ言い、通話を切った。

「なんでまた生徒会室に・・・・」

「さあ、とにかく行ってみましょうか」

「ああ」

奏と合流するため、梨桜達は生徒会室に向かって歩き出した。

この後の「出会い」が、今後の梨桜達の運命を大きく変えてしまう事になるとは知らずに。


────続く────
ながっ。
やばいですね。
というわけで新章突入!!
タイトルを直訳すると「部活動」です。
まんまですね。
次回からいよいよ新太達が登場!!
今回もちらっと出ましたが。
お楽しみに!!