さて「色即是空」に続くフレーズは、
「空即是色(くうそくぜしき)」
(空は即ち是れ色である)
と「色即是空」の「色」と「空」がひっくり返っています。
「色」は「空」ですよ、と言い切った後に、なぜわざわざ「空」は「色」ですよ、と言い換えているでしょうか?
「物質とは虚しいものである」はなんとなくわかりますが、「虚しいものは物質である」となるとどうでしょう?
この部分が、般若心経を読んで最初に感じた疑問でした。
で考えたのが、これは、
「色」と「空」がまったく同じもの、
と言っているのではないだろうか?ということ。
算数的に言えば、等式、
=(イコール)
ということになります。
「色=空」
「空=色」
例えば、「にわとりは鳥である」という文章をひっくり返すと「鳥はにわとりである」となって、文章として成立しなくなります。
鳥はすべてにわとりではないからです。等式として成立しなくなります。
「にわとりは頭にトサカがあって鶏肉として食される鳥」とすれば、
「頭にトサカがあって鶏肉として食される鳥はにわとり」
と、逆にしても文章として成立します。
イコール(等式)である、ということです。
「色」と「空」はまったく同じものである、
ということです。
「色不異空 空不異色」
(色は空と異ならず、空は色と異なるものではない)
これは「色即是空」のすぐ前のフレーズですが、同じことを言い方を変えてくり返しています。
いかにこれが大事かということですね。
さて、私の頭に浮かんだのは、物質イコールとなる有名な等式、
それは、アインシュタインの
E=MC²
という特殊相対性理論の等式です。
Eはエネルギー
Mは物体の質量(つまり物質そのもの)
Cは光の速度(秒速約30万キロメートル)
を表します。
物体の質量に光の早さの2乗をかけたものがその物質の持っているエネルギーの総量になります。
物質というのはエネルギーのカタマリである、とこの式は言っています。
「空」はエネルギー
というのが私のたどり着いたひとつの答えです。
※「色即是空」が相対性理論というのは、半村良氏も「妖星伝」という伝奇小説の中で使われていますね。
(参考本 「アインシュタインの世界 インフェルト著 武谷光夫 他訳」)
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(声に出して詠んでみましょう 般若心経咒)
ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそうぎゃーてい ぼーだいそわか