Not Found 第3章 -40ページ目

「私と、いける?」
YUKIのこの一言でライブは始まった。

いやー、参った。俺、長渕のライヴしか行った事無かったんだけど、
長渕のライヴは8:2で男の客の方が多いんだよ。
でもさすがはジュディアンドマリー。7:3で女が多かった。
しかも長渕のライヴは特攻服着た人とか入れ墨が袖からはみ出てる人とか、
その人の横にいるヒョウ柄のお姉さんとかそんなのばっかりなのに、
昨日の大阪ドームの周りはテディベア抱いてるような女のコばっかり。
その中にポツンと長渕ファンの俺だろ。周りから見たらまぬけなダフ屋だぜ。
まあでもチケットタダでくれた一緒に行った奴がファンクラブに入ってて
席はめっちゃ前だったから良かった。アリーナ13列目って分かるか。
アリーナって90列目まであるんだぞ。それの13列目。すげーだろ。
YUKIの黒いぱんつ見えまくり。まあ見えてもいいんだろうけど。
YUKIは最初の方から泣いてたけど、それでも23曲歌い上げた。
最後な、マイク使わずに生声で、8年間ありがとうございました、って。
それ聞いたらさすがの鬼の新○もちょっと、きたよな。
まあでも、俺的には、解散はしょうがないってのがあって。
結局ジュディマリってのはYUKIとタクヤの恋を歌ったバンドだから。
その2人が別れた時点で解散に向うのは必然で。
まあ、たいしたバンドでしたって事だ。
いや、あのな、結局な、俺がお前らに言いたいのはだな。
お前らにも好きな歌い屋がいるだろ。そいつらもいつかは売れなくなったり
解散したり引退したりするんだよ。お前らはそん時ファンをやめているかもしれない、
もう前よりは好きじゃないかもしれない。それはいい。ただ、そん時にだな、
お前らが、あいつらは終わっただ昔の方が良かっただって言い出すなって事だ。
つまりだ、1度好きになった人の事を悪くは言うなって事だ。
俺が言いたいのは、それだけだ。他に言いたい事は、ない。
 
 
 
 

※最近一部で、新爆は本当にジュディマリファンだったのか、聞いたことねーぞ、
この前ドラムの名前聞いたら言えなかったぞ、あいつ前ヒスブルに乗りかえたって
言ってたぞ、等の心無い声があがっておりますが、そういう心の貧しい人はほっときましょう。

長渕ファンの俺がなんなんだけど、明日大阪ドームに
ジュディアンドマリーのライヴを観に行ける事になった。
あのな、言っとくけど俺はジュディマリはかなり昔から知ってる。有名になる前から。
昔、学校の帰りによく行ったゲーセンでデイドリームって曲がいつも流れてたんだ。
初めてMステに出た時もよく憶えている。
あの時の複雑な気持ち、お前らには解からんだろうな。
そっからトントン拍子よ。ANN、レコ大、紅白、東京ドーム。
96年の大晦日、紅白を観ながら俺は思った。
もうみんなのYUKIになったんだな、と。手を引こう、と。
そう。いつの間にか、YUKIはすっかり俺の手の届かない所にいたんだ。
あの時ゲーセンのやたら音の悪いステレオから流れてきた
名も無い少女の歌声は俺が思った通り、やっぱりたいしたものだったんだ。
お前らがな、どんだけ音楽通かテクノ通だかしらねーけどよ、
ジュディマリに関しては俺の方が昔から知ってるんだ。どうだ。馬鹿。
兎に角、明日だ。デイドリームを聴いたら、たぶん俺は泣くだろうな。
お前らは、じゃんけんぴょんでも聴いてなさい。

たけひささんへ。

メール有難うございます。先週はお世話になり申し訳ありませんでした。
なんかたけひささんのその優しさにつけ込んで、リポビタンDがどうしても飲みたい、とか
色々無茶な事言って困らせてごめんなさい。
あの日はACさんがすごく酔ってて。
あの梅田の焼き鳥屋にACさんのオキニいるじゃないですか。
なんかあの子にトシ聞いたら19って言われてショック受けたらしくって。
そっから凄いですよ。生中8杯、赤ワイン小ビン3本。
で僕のオキニは23才だったんですよ。
そしたら、お前のオキニと交換しろ、とかわけわかんない事言い出して。
俺にはヨーコがいるんだ、とか言ってヨーコにピポパって電話したら留守電で。
そっからもうご存知の通りですよ。AC大荒れですよ。
兎に角いろいろお世話になりました。
あ。あと「風の歌を聴け」をくれるとの事ですが。返します。返させて下さい。
僕ね、人から本やCDを借りてそれを読むなり聴くなりして、これ良いな、と
思ったら絶対返すようにしてるんです。色んな人に見て欲しいから。
僕が今この本を貰ったらたけひささんはもうこの本を読む事がなくなるでしょう。
人にあげた本をまた買うってのも考えにくいし。だから返させて下さい。
「風の歌を聴け」はね、結局とどのつまり、僕の理想なんです。
主人公は理想の自分だし、あの女の子は僕の理想の女の子だし。
で2人の関係も理想の関係。主人公と友達の鼠の関係も理想の友達関係。
さばさばしてる。兎に角さばさばしてる。べたべたしてない。
もちろんこの小説がまぬけな恋愛物や友情物じゃないって事ぐらい分かりますし、
あらゆるものは通りすぎる云々、なんてかなり残酷な事書いてるなって思いますし、
僕がこの小説を読んで感銘したところは、春樹の意図してないところかも
しれない。でも僕はここでブルッときたんだからしょうがねーだろ、って感じで。
逆に開き直って、俺がここが良いって言うから良いんだって感じでもあります。
まあ、たけひささんとは今度、ギムレットでも呑みながら春樹について語りたいですね。
 

その他の皆さんへ。

今ちょっと大人の話してるから向こう行って十五少年漂流記でも読んでなさい。

こんにちわ。
ベランダで栽培していた冬虫夏草が、ふ化してしまい困っている新○です。
あのですね、以前ここの日記で書いて以来問い合わせが殺到している
鈴木智恵(仮名)について加筆させてもらいます。
まず年齢は20才。大阪在住。学生。性格、最悪、ケチ、人を見下す、品がない。
容姿、遠くから見たら広末涼子。近くで見たら東八郎。
青い髪。青いコンタクトレンズ。青いピアス。
好きな有名人、テル。尊敬する人物、アユ。
将来の夢、歌手。(モーニング娘第3回オーディション大阪会場第一次審査落選)
趣味、カラオケ、携帯電話、食べ歩き、お金を数える事。
好きな食べ物、おもちのカルボナーラ、セロリの浅漬け。
本人曰く今まで付き合った男の数7人。付き合った期間最長1ヶ月半、最短1日。
口癖「あ、財布忘れた」。
何が性格最悪かって言うと、奢ってもらうのが当たり前だと思ってるあたり。
奢ってもらえるのを前提で来る。
2週間に1回ぐらい電話があって、ご飯でも食べに行こうかあっはーん、って。
で来る時は2日ぐらい断食してくるんだから。
で散々食って、あ門限だパパに怒られる、とか言って、じゃーねー、って。
アホか、と。
いや俺は奢るのはいいんだよ。
俺は女の人と飲みに行って、て言うかご飯とか食べに行って相手にお金を出させる事はまず、ない。
割り勘って言うのもちょっと考えられない。割り勘するぐらいなら行かない。
もちろん、奢ったからと言って恩着せがましい事も何も言わない。
ありがとう、なんて言ってほしくない。
でもな、なんかな、ちょっとな、気持ちのどこかで感謝しててほしいんだ。
それが男のつまんない見栄と、女のせめてもの品ってもんだ。   
え。なになに?今俺また、きもい事言ったの?

ひょんな事から、村上春樹「風の歌を聴け」を読んだ。
俺は元来、ちっちゃい字、いわゆる小説を読むのが大嫌い。
読んでるとなんか目がしょぼしょぼして眠くなる。て言うか、なんかおなか痛くなる。
あお向けになって両手両足をばたばたさせて買って買ってって言いたくなる。
たしか最後にちっちゃい字方面を読んだのが中学の時のズッコケ3人組。
そんな俺がいきなり村上春樹である。どうだ、かっこいいだろ。
まあ感想を言うと、何これ、こんなのあったんだって感じ。
こんなの初めて、みたいな。もっと早くに読むべきだった。せめて10代の内に。
訴えてくるものはなんにもない。大ドンデン返しのおちもなんにもない。
でも、いい。かなり好き。雰囲気が好き。
女の子が主人公にビーフシチュー作りすぎたから食べに来ないかって誘ってから
テーブルで向き合って喋って、明日から旅行に行くって告げるあたりがかなり好き。
これぞ文学。
お前らもこういうの読まなきゃ駄目だよ。馬鹿なんだから。
バトルロワナントカなんか読んできゃぴきゃぴ言ってる場合じゃない。
俺から言わせてもらえれば、バトルロワナントカなんかよりもずっと残酷でずっと優しい。
いやー、参りました。これは売れるよ。春樹はたぶん今年くるね。
これからお前ら、俺の事を春樹を発掘した男と呼べ。分かったか、馬鹿野郎。