■ | Not Found 第3章

たけひささんへ。

メール有難うございます。先週はお世話になり申し訳ありませんでした。
なんかたけひささんのその優しさにつけ込んで、リポビタンDがどうしても飲みたい、とか
色々無茶な事言って困らせてごめんなさい。
あの日はACさんがすごく酔ってて。
あの梅田の焼き鳥屋にACさんのオキニいるじゃないですか。
なんかあの子にトシ聞いたら19って言われてショック受けたらしくって。
そっから凄いですよ。生中8杯、赤ワイン小ビン3本。
で僕のオキニは23才だったんですよ。
そしたら、お前のオキニと交換しろ、とかわけわかんない事言い出して。
俺にはヨーコがいるんだ、とか言ってヨーコにピポパって電話したら留守電で。
そっからもうご存知の通りですよ。AC大荒れですよ。
兎に角いろいろお世話になりました。
あ。あと「風の歌を聴け」をくれるとの事ですが。返します。返させて下さい。
僕ね、人から本やCDを借りてそれを読むなり聴くなりして、これ良いな、と
思ったら絶対返すようにしてるんです。色んな人に見て欲しいから。
僕が今この本を貰ったらたけひささんはもうこの本を読む事がなくなるでしょう。
人にあげた本をまた買うってのも考えにくいし。だから返させて下さい。
「風の歌を聴け」はね、結局とどのつまり、僕の理想なんです。
主人公は理想の自分だし、あの女の子は僕の理想の女の子だし。
で2人の関係も理想の関係。主人公と友達の鼠の関係も理想の友達関係。
さばさばしてる。兎に角さばさばしてる。べたべたしてない。
もちろんこの小説がまぬけな恋愛物や友情物じゃないって事ぐらい分かりますし、
あらゆるものは通りすぎる云々、なんてかなり残酷な事書いてるなって思いますし、
僕がこの小説を読んで感銘したところは、春樹の意図してないところかも
しれない。でも僕はここでブルッときたんだからしょうがねーだろ、って感じで。
逆に開き直って、俺がここが良いって言うから良いんだって感じでもあります。
まあ、たけひささんとは今度、ギムレットでも呑みながら春樹について語りたいですね。
 

その他の皆さんへ。

今ちょっと大人の話してるから向こう行って十五少年漂流記でも読んでなさい。